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定位置で篠笛を吹いてみる。息を入れるのが難しい。でもこのトランペットとかとはまた違ったおしとやかな音、すごく好き。
エ「きれいな音だね！」
『エマ！？いたの？』
エ「笛の音が聞こえたから来て見たの」
『まだ全然吹けないけど楽しいよ』
エ「前から思ってたんだけどAって楽器吹くの上手だよね」
『え？そんなことないよ？外出禁止になることが多いから図書室と音楽室に入り浸ってるだけだよ』
そういえばエマ調子悪いんじゃなかったのかな？
レ「おい、お前らママが呼んでるぞ」
『レイ』
途端にエマがしゅんとした顔をする。めんどくさい
要件なのかも。私もエマについて行く。
せっかくの誕生日なのになんてぼーっとしてたらエマを見失った。
『え』
というかハウスの子ども誰一人見当たらない。不審すぎる。とりあえず戻ろう。
ハウスの扉を開けた途端
「「「ハッピーバースデー！！」」」
クラッカーが炸裂した。
エ「Aお誕生日おめでとー！！」
サプライズだったのか！
レ「おい」
いつのまにか後ろにいたレイ。
レ「こっちこっち」
目隠しをされ腕を引かれる。連れていかれた先にあったのは私の身長近くあるショートケーキ。
『すごいっ！』
こんなの見たことない。
エ「私たちでデコレーションしたの！」
レ「身体中に生クリームつけて悲惨だったよな」
エ「もう！それは内緒！」
だから朝会わなかったのか。納得。
『早く食べよ！』
エ「私お皿とか持ってくるね」
『手伝う！』
お誕生日がこんなに楽しいなんて。
『毎年元気だったらなぁ』
みんなでケーキを食べながら思わず呟いた。
こんな機会を逃していたなんてもったいない。
エ「じゃあ10年分楽しめばいいよ！」
『それもそうだね！』
夕方、私はスケッチブックと色鉛筆を持ってまた森に行った。不意に絵を描きたくなったからだ。
最初は2人が何も知らなかった頃の3人を描こうとした。でもやめた。その頃からレイは苦しんでいたんだ。代わりに描いたのは脱獄に成功した3人。今となってはもう叶わない。だからこそ絵の世界でくらいは幸せでいて欲しかった。
描きながら沢山の思い出が溢れてきた。一緒に涙も溢れてきた。もうできないなんて認めたくなかった。幼い頃に帰りたい。
ひととおり泣いた後そっと絵をたたんでハウスに戻った。この絵は誰にも見せない、見せてやらない。
私の想いと一緒に燃やすことにした。
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空(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すごく面白かったです!! (2018年10月8日 13時) (
レス) id: 819f837169 (このIDを非表示/違反報告)
へびいちご日和 - 空さん» 暖かいコメントありがとうございます！なんとか完結させることができました！ (2018年10月8日 8時) (レス) id: 29fdad6945 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - すごく読みやすいし、読み進めるたびに次はどうなるんだろうとドキドキします！！更新頑張って下さい！ (2018年9月30日 17時) (レス) id: 819f837169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：へびいちご日和 | 作成日時：2018年9月21日 22時
