君のための全て

26 日本人の友達 ページ26

( you side )

「……ふぅ。｣


L.A.に 出てきて12年。

初めは寂しかった一人暮らしも、今ではすっかり慣れた。


オートロックの鍵を開け、8階へ向かう。

自分の部屋の鍵を開けると、扉を閉めた。


靴を脱ぎ、着ていたドレスを脱いで部屋着に着替えると、ソファに身体ごと投げる。

「 今日は人見知りでなくてよかったぁ。｣


独り言を言いながら、酎ハイを一気飲み(笑)


それからすぐにお風呂へと向かった。


こんな何気ない時間が、最高にしあわせ。

よく、しっかりしてる！だとか

30歳に見えないね！かっこいいね！

だとか、言われるけど、


素顔の私は、申し訳ないぐらい普通の女だ。


_

熱いシャワーを浴びながら今日一日を振り返る。

「今日楽しかったなぁ。」

一年かけてまわった、舞台の千秋楽、正直毎日リハーサル。
ハードで気落ちすることが多かったけど、

自分で決めた道を進めてる今、すごくしあわせなの。



それも、日本で頑張ってる幼馴染が背中を押してくれたお陰。


そんな幼馴染と、同じグループで活動してるふたりに出会えるなんて、すごく嬉しくなって、普段
はじめましての人には人見知りをしてしまう私でも

話せてすごく嬉しかったなぁ。



思い返してると逆上せそうだから急いで出て髪の毛を乾かして、寝室に向かって。


布団に潜ったあとにケータイを開くと、

観覧者の方、関係者の方、バレエ団の先輩、後輩、
色んなメッセージがある中で２件のメッセージが

目に入って。

みつくんと、隆弘。

みつくんは、今度ご飯いこう。

って書いてる、


書いて………ある。


「うぇ？？わたし？！ご飯、？」


驚いたけど嬉しい。
そんな話せなかったから残念だと思ってたし。
社交的だなぁ。と、他人事のように考えちゃってる、けど。

どうやって返事するか、迷ったからもう１人のトークを開けると

隆弘は、
西島隆弘お疲れ様。LINE見たら電話してきなさい!

…って。なんか怒ってる？


ちょっと緊張しながらコールボタンを押して


何回かコール音が聞こえた後に



「も、もしもし？」



西「ちょっと？！？！Aから聞いてないんだけど！！！」

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