【d!】ヘブンリーブルーの秘密【kn】【完結】 (ページ7)

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せやけど、俺の手はAをすり抜けて空を切った。

「コネシマくん、私はあの時確かに死んだんだよ。今は幽霊なんだ」

kn「幽霊なんか、なるほど。…って幽霊…？！」

幽霊なんてフィクションやと思っとった。

まさか、ほんまに実在するとは思わんかった。

「訳あって、成仏出来なかったんだ」

kn「成仏できひんかった理由は？」

「…ごめん、それは秘密」

Aは、物凄く苦しそうな顔をしてた。
よっぽど言いにくい事なんやろうな。

「コネシマくん、私が無事に成仏するまでここに置いて欲しいんだ」

そりゃ、好きな女が自分の家に居てくれたら願ったり叶ったりやけど。
Aは、ほんまにそれでええんか。

kn「ええよ」

「やっぱダメだよね…って良いの？！」

Aは断られるかと思ってたんか、驚きすぎやろ。

kn「ええよって言っとるやん。いくらでも居ったらええよ」

できたらAには、成仏して欲しくないんやけど。

「ありがとう、コネシマくん…！」

kn「これで貸し1つやな」

10年前にAが言っとったのを言ってみたけど、Aは首を横に振った。

「私が死ぬ前に沢山貸したままだったから、これは貸しの内にはならないよ」

kn「何にも言い返せんわ」

こうして、俺とAの秘密の同居生活がスタートした。