【d!】ヘブンリーブルーの秘密【kn】【完結】 (ページ33)

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A視点

放課後。

顧問の先生の都合で部活が休みになった私は、特に用も無いので家に帰る事にした。

mob「Aちゃん、また明日ね！」

「うん、また明日〜」

部活に行こうとする美術部の友達と別れて、私は鞄を持って昇降口に向かった。

上履きからローファーに履き替えて、持って来ていた傘を差した。

学校の目の前にある横断歩道で信号待ちをしていると、聞き慣れた声が私を呼び止めた。

ci「Aさん、お疲れ様です！」

「チーノくん、お疲れ様」

部活の後輩のチーノくんだ。

ci「雨でも部活したかったのに、先生が緊急会議で部活が出来ないとか残念です」

「だねー、明日は出来るといいね」

歩行者用の信号が青に変わると、真っ先にチーノくんが歩き出す。

赤信号に関わらず、こちらに向かってくるトラックが私の視界にはっきりと映った。

雨でただでさえ視界が悪いはずなのに、トラックだけは何故かクリアに見えた。

どうやらチーノくんは、トラックに気付いていないようだ。

「チーノくん！危ない！！！」

ci「えっ！？」

私は差していた傘を放り投げて、チーノくんを思い切り突き飛ばした。

トラックが目の前に迫った所で、私の意識は途切れた。

ただ1つ心残りだったのは、コネシマくんに私の気持ちを伝える事が出来なかったことだ。