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俺の手を握る
Aの手が
出逢った時よりも
小さく細くなっていて、
微笑んでみせている
その顔にも
血色はなかった。
神様は
もう
すぐにでも、
彼女を
連れていってしまいそうだった。
JH 「… … … … 教えて、A」
A 「え … ?」
JH 「俺はAと生きたいよ」
A 「… … …」
JH 「だから、教えて。どうすればいい ?」
A 「… … …」
JH 「… 俺は、どうすればいい ?」
A 「… … … … ジョンハン」
JH 「俺はAの為に、何をすればいい ?」
彼女の手を
握り返した。
まだ。
まだ
Aを連れていくな。
A 「初めて会った時に、言ったじゃん」
JH 「… … …」
A 「話したり散歩したり、遊んだり。普通の事をしたい」
JH 「… … …」
A 「傍にいてくれるだけでいいって」
なんの
些細な日常を望むだけの
この彼女のどこに
神様に
嫌われてしまう要因があるのか。
どうして神様は、
この天使を
見殺しにしてしまうのか。
A 「私ね、すごく幸せなの」
JH 「え ?」
A 「ジョンハンが友達になってくれて」
JH 「… … …」
A 「毎日ただ一緒にいれただけで」
JH 「… … …」
A 「それだけで、私は もう充分なの」
失いたくない。
Aの笑う顔を見て
ただ
そう思った。
A 「ジョンハンに出逢えただけで、私は幸せだったの」
俺は
Aと話したい事、
伝えたい事が
まだ
たくさんあるのに。
そんな心を
試すかのように、
たった一粒だけ
彼女は
涙を流して。
頬に流れた
その涙を
指で
Aは
また小さく笑う。
A 「ジョンハンが、友達でよかった」
不遜かもしれない。
だけど
その笑顔を見て
強く思う。
Aの為に
生きたい。
.
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作者名:しろくま | 作成日時:2022年7月5日 5時