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episode 020 ページ20

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俺の手を握る
Aの手が

出逢った時よりも
小さく細くなっていて、



微笑んでみせている
その顔にも

血色はなかった。








神様は

もう
すぐにでも、


彼女を
連れていってしまいそうだった。













JH 「… … … … 教えて、A」

A 「え … ?」

JH 「俺はAと生きたいよ」

A 「… … …」

JH 「だから、教えて。どうすればいい ?」

A 「… … …」

JH 「… 俺は、どうすればいい ?」

A 「… … … … ジョンハン」

JH 「俺はAの為に、何をすればいい ?」









(すが)るように

彼女の手を
握り返した。






まだ。

まだ
Aを連れていくな。













A 「初めて会った時に、言ったじゃん」

JH 「… … …」

A 「話したり散歩したり、遊んだり。普通の事をしたい」

JH 「… … …」

A 「傍にいてくれるだけでいいって」








なんの我儘(わがまま)でもない。



些細な日常を望むだけの
この彼女のどこに

神様に
嫌われてしまう要因があるのか。





どうして神様は、

この天使を
見殺しにしてしまうのか。












A 「私ね、すごく幸せなの」

JH 「え ?」

A 「ジョンハンが友達になってくれて」

JH 「… … …」

A 「毎日ただ一緒にいれただけで」

JH 「… … …」

A 「それだけで、私は もう充分なの」









失いたくない。


Aの笑う顔を見て

ただ
そう思った。












A 「ジョンハンに出逢えただけで、私は幸せだったの」








俺は
Aと話したい事、


伝えたい事が

まだ
たくさんあるのに。






そんな心を
試すかのように、


たった一粒だけ

彼女は
涙を流して。




頬に流れた
その涙を

指で(すく)えば


Aは
また小さく笑う。













A 「ジョンハンが、友達でよかった」








不遜かもしれない。


だけど
その笑顔を見て

強く思う。








Aの為に
生きたい。










.
.

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作者名:しろくま | 作成日時:2022年7月5日 5時

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