episode 019 ページ19
- 019
もって、
あと1ヶ月。
それが
Aに残された時間だった。
A ｢ジョンハンは、もう点滴が終わったのに｣
JH ｢… … …｣
A ｢今度は私が点滴する側になっちゃったね｣
こんな時ですら、
Aは
そう言って
俺に微笑んだ。
そんなAを見て、
俺の目からは
さらに涙が
JH ｢… … … どうして、笑うの ?｣
A ｢… … …｣
JH ｢… どうして、こんな時に笑ってられんの ?｣
A ｢… … … ジョンハン｣
JH ｢どうしてAは、泣かないんだよ … っ｣
震える息と一緒に
吐き出すように
そう言い放つ俺に、
Aの眉は
寂しそうに下がった。
A ｢… … 泣かないんじゃないの、泣きたくないの｣
点滴の繋がれた
Aの腕が伸びて、
俺の手を握る。
A ｢泣いたら、認めてしまう事になるから｣
JH ｢… … っ …｣
A ｢苦しいって、つらいって、怖いって｣
JH ｢… … … A … っ｣
A ｢もう死んじゃうんだって、認めたくないの｣
泣かない
という事が、
彼女の
精一杯の抵抗。
A ｢… … … … ジョンハンは｣
JH ｢… … …｣
A ｢私の事を天使だねって、言ってくれたけど｣
JH ｢… … …｣
A ｢だけど、やっぱり私は神様に愛されてなかったみたい｣
淡い色をした瞳を
揺らして、
天使は悲しそうに笑う。
A ｢私は、神様に嫌われたの｣
だから
流れ星に願った事も
神様は叶えてくれないの。
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 322人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろくま
| 作成日時：2022年7月5日 5時
