episode 018 ページ18
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気がついた時には、
中庭にいた。
手には
いちご牛乳があって、
無意識にも
そんな物を買っていて。
Aの顔が見れなくて
病室には
戻れなかった。
A 「… … … ジョンハン ?」
JH 「… … …」
A 「… … ずっと、ここにいたの ?」
病室にいない俺を心配して
探しに来てくれた
Aの声が、
後ろから聞こえた。
だけど
その声に
振り返る事ができない。
A 「検査が終わって、病棟に戻ったけど」
JH 「… … …」
A 「ジョンハンがいなくて、探しに来ちゃった」
Aの声が近づき、
隣に座ったのが分かった。
それでも
俺は
彼女の方を見れない。
A 「… CTする為の造影剤を使ったらね」
JH 「… … …」
A 「気持ち悪くなっちゃって、時間かかっちゃった」
隣にいるAの肩が
ふいに
俺の肩に触れる。
体温を感じる。
それだけの事で
苦しくて
息が詰まる。
いちご牛乳を持つ手に
力を入れた。
喉が
目が熱くなるのを耐えて、
俺は
やっと
Aへと視線を向けた。
A 「… … … … ねえ、ジョンハン」
隣にいるAが
瞳に映って、
そして歪んだ。
今までなかったはずの
点滴が、
彼女の腕に繋がれていた。
A 「… … 私もう、いちご牛乳 飲めなくなっちゃった」
耐えていたはずの
涙が
A 「… … … もって、あと1ヶ月って言われちゃった」
涙と共に
吐き出した息は
情けなく震えた。
.
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作者名:しろくま | 作成日時:2022年7月5日 5時