episode 016 ページ16
- 016
彼女の
淡い瞳に
夜空の色が映る。
A ｢… … じゃあ、もし。もしもね｣
JH ｢うん｣
A ｢もし、その願い事が叶う時は教えるね｣
JH ｢なにを願ったかを ?｣
A ｢… うん。もしもの話だけどね｣
星は
小さく光る。
A ｢… … … でも、たぶん叶わないかな｣
夜空は
そのままAを
吸い込んでしまいそうで。
引き止めるように
Aの手を握った。
夜空を映していた瞳が、
俺へと
向けられる。
JH ｢… … … 俺も願うよ｣
A ｢… なにを ?｣
JH ｢俺も、どうしても叶えたい事ひとつあるよ｣
A ｢… … じゃあ、誰にも話せないね｣
誰にも
Aにも
伝えられない。
だから、
神様。
貴方だけは
ちゃんと聞いてくれるよね。
Aと
俺の願い、
叶えてくれるよね。
願いが叶うまでは
誰にも
Aにも
伝えないから。
A ｢… … … 私ね、明日はご飯 食べれないの｣
JH ｢… 前に言ってた飲食制限 ?｣
A ｢うん。造影剤を使ってCT撮るんだって｣
JH ｢… … …｣
A ｢たぶん、癌の進行状況とか診るんじゃないかな｣
だから、
お願いです。
神様。
俺には
癌を消すことはできないから
だから
せめて、
貴方に願いたい。
A ｢明日 ジョンハンに、みかんゼリーあげれないなあ｣
JH ｢… … いいよ、大丈夫。ゼリーなんていらないよ｣
A ｢… … … ごめんね、ジョンハン｣
JH ｢謝らなくていいから。… … ただ俺は｣
ただAと
これからも
笑い合っていきたいだけなのに。
それだけなのに。
A ｢… … … … あ !｣
JH ｢… ?｣
A ｢ジョンハン ! 流れ星 … !｣
俺と繋いだ手に
力を込めて
彼女は
そのまま目を閉じる。
夜空だけが、
俺らを包んだ。
流れ落ちていく星を
瞳に
焼き付けて、
俺も
静かに瞼を閉じた。
Aと生きたい
ただ
そう願って。
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 322人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろくま
| 作成日時：2022年7月5日 5時
