episode 014 ページ14
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ジョシュアに
言われた言葉達が
頭の中で響いていて、
消灯時間を過ぎても
眠れずにいた。
病院の外から聞こえてくる
救急車の
サイレンの音が
余計に睡魔を遠のかせていく。
JH 「… … … … Aが願う事 … 」
サイレン音が
嫌でも耳に入ってくる中、
俺は必死に
その事について
考えた。
聞こえてくる騒音を
掻き消すように、
頭から
布団をかぶって
目を閉じる。
A 「… … … … ジョンハン、寝たの ?」
サイレン音が響く中、
その
か細い声だけが
やけに
はっきりと聞こえて。
驚いて
布団を捲って
起き上がると、
Aが
俺の病室にいた。
JH 「… … A、なんで ここにいるんだよ」
A 「… 救急車の音がうるさくて、眠れないの」
JH 「… もう消灯時間は過ぎてるよ」
A 「大丈夫。看護師さんにはバレないよ」
JH 「… … …」
A 「2時間毎でしか病室の見巡り来ないから」
いつものように
悪戯な
彼女は微笑む。
だけど
月明かりだけが頼りの
暗闇の病室の中で佇むAの姿は、
今にも
消えてしまいそうなくらい
儚く見えて。
白くて細い腕を
掴んで、
引き寄せた。
A 「… … ジョンハン ?」
JH 「… … … 俺も」
A 「… ?」
JH 「… 俺も、眠れない」
Aの事を考えて
もう
時間が少ない事に焦って
情けなくも、
彼女の腕を掴む手は
少し震えた。
そんな俺の手を
今度はAが
優しく握り返す。
A 「… … ジョンハン、行こう」
JH 「どこに … ?」
A 「屋上に行こう」
JH 「… え、今から ?」
俺の手を握った
Aの手も、
少し震えていた。
A 「流れ星を、探したいの」
握り返した彼女の手は
出逢った時よりも
細くなっていた事に
その時、気づいた。
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作者名:しろくま | 作成日時:2022年7月5日 5時