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天使のように
舞い降りてきた彼女は、
やっぱり不思議だった。
A ｢私は、ユン･A ! あなたの名前は ?｣
JH ｢… … … … … … ユン･ジョンハン｣
A ｢わあ、名字 一緒 ! なんか嬉しいな｣
JH ｢… … … ユンって、そこまで珍しくないと思うけど ?｣
A ｢でもジョンハンって事は、あなた男の人なの ?｣
JH ｢… … … … … は ?｣
A ｢え、だって髪の毛長くて綺麗だから てっきり …｣
JH ｢… どう見たって男だろ、俺は｣
A ｢こんな綺麗な男の人、初めて見たよ ?｣
そして
彼女もまた
俺を不思議そうに
見つめた。
風が吹いて
互いの髪の毛が
揺れる。
A ｢ジョンハンは、天使みたいに綺麗だね｣
淡い色をした瞳は
微笑んで
そう言うから、
照れくさくなって
思わず目を逸らす。
JH ｢… … 俺だって、天使かと思ったよ｣
A ｢え ?｣
JH ｢いきなり空から、降ってきたから｣
A ｢あははっ、空から人が降ってくるわけないじゃん !｣
JH ｢じゃあ、どこから降ってきたんだよ｣
A ｢空じゃなくて、ドアの屋根から降りただけだよ｣
無邪気に笑う
彼女は
どこか嬉しそうで。
空に浮かぶ
太陽が差す光は
眩しい。
A ｢病院で同い年くらいの人に会えるのって少ないの｣
JH ｢… … …｣
A ｢だから屋上にいるジョンハンを見つけた時、嬉しくて｣
JH ｢… … だからって、飛び降りてくるなよ｣
A ｢んはは、ごめんって (笑)｣
彼女は
よく笑う。
そして
人との距離のとり方も
上手くて、
話していくうちに
分かったのが
俺達は
1995年10月4日生まれっていう
共通点があるのを知って。
始めのうちは
警戒気味だった俺も
いつの間にか、
彼女の名前を
自然と口にしていた。
JH ｢… … Aも、天使なんだな｣
A ｢… ?｣
JH ｢10月4日って、天使の日って言われてるじゃん｣
俺の
その言葉に、
Aは
また笑った。
A ｢それなら私は、例外かも｣
JH ｢え ?｣
A ｢だって天使なら、神様に愛されてるはずだもん｣
眩しかったはずの
空の光は、
雲に覆われて
消えていた。
A ｢私ね、癌で入院してるの｣
.
.
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作者名：しろくま
| 作成日時：2022年7月5日 5時
