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episode 001 ページ1

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JH 「… … … … … 最悪」







やけに白い建物の屋上で、

溜め息と共に
その言葉を(こぼ)した。









最悪だった。


リハーサル中に
目眩がして

足を(ひね)らせて、
倒れた。




過度のストレスによる
食思不振から

栄養状態が不安定になったのが
倒れた原因らしい。



倒れたついでに
足を(ひね)らせて

捻挫までした。






もちろん
リハーサルは中止になって、


俺の活動も
SEVENTEENとしての活動も

しばらく中止になった。












JH 「… … … … 挙げ句の果てに、入院だし」







事務所のスタッフ達からは

休息も兼ねて
入院しろと言われた。





食欲がないから
点滴生活になって、

(ひね)った足は
包帯でグルグルに固定されて。




ただただ
窮屈な気分になった。













JH 「… … … … カムバックだって、決まってたのに」







事務所に言われて
長く伸ばした髪が、

風に靡いて
鬱陶しく感じる。








病院の屋上で
ひとり寝転んで

点滴が繋がれた腕を
空に向かって(かざ)す。


憎らしいくらい
晴れ渡る空の光が(まばゆ)い。





その眩しさに
目が(くら)んだ時、だった。







空から

彼女が
降ってきたのは。













A 「ゎっ … … !」

JH 「… … … … はっ ? え、何 ?」









寝転んでいた
俺のもとに

彼女は、
空から降ってきた。




驚いて
起き上がれば、

彼女も不思議そうに
俺を見つめた。






白いリネンの
パジャマを身に纏い、

透けるように
肌もまた白くて


吸い込まれるような瞳は
淡い色をしていた。





その姿は、
まるで。














A 「… … 天使みたいだね」







俺に
そう言った彼女の髪は

柔らかく靡いて。



そして
小さく微笑んだ。












.
.

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作者名:しろくま | 作成日時:2022年7月5日 5時

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