【REBORN】最弱幹部は息を潜める 2nd Bullet (ページ8)

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目的32:群れとするか殺人とするかページ8

リングに灯った炎を匣に注入してみる。
するとすぐに紫の炎を纏った黒い塊が飛び出てくる。

その黒い塊は私の周りを数週したのち、腕に降り立つ。
その塊は鴉だった。

「雲鴉(コルヴォ・ディ・ヌーヴォラ)……君はクロって呼んでたけど」
「安直だなぁ……わかりやすいけど」

クロ、と呼ぶと嬉しそうに再び私の周りをくるくると飛び回る。
まるで久々に主人に会えて嬉しいと言わんばかりに。

「そして雲属性の匣や炎の特徴は増殖……ロール」

彼の肩から跳んだロールは紫色の棘付きの球体となり、巨大化した。

「炎や匣によって特徴は異なるけどこの時代では匣や炎が戦闘においては重要な意味を持つ」

「じゃあクロも大きくなるの？」

と言いつつクロに視線を向けると
'じゃあ見せてやるよ"
とでもいうように飛び立つ。

するとクロは増えた。
1羽が2羽に、2羽が4羽に、4羽が8羽に。
たちまちカラスの群れが宙を覆う。

「The murder of crows ってことか。
私が連れてたのもわかる気がする」

自分を皮肉るダブルミーニング。
クロ達が得意げに鳴いた。

「匣兵器は炎を動力源にするから
炎が切れると匣に戻るかその場で機能停止する」

ロールとクロはそれぞれ炎を使い切ったのか
お互いの匣に戻った。

「まぁ僕は君の匣の性能は好きじゃないけどね。群れてるから」

と言いながら別の匣を取り出し、開匣する。
今度出てきたのは炎を纏ったトンファー。

「君は習うより慣れろだ。はじめようか」
「……10年たってもそのバトルジャンキーは相変わらずか」

今度は私がため息を吐きながら銃を取る。
きっと出会って10年間、お互いにため息を吐きながら共にいたんだろうな、なんて考えながら。

私も彼とそう在れるだろうか、そうだったらいいな
なんて思いながら剣を抜いた。

「それではよろしくお願い申し上げますよ、師匠？」
「その言い方やめて、むず痒いから」

修行という名目の戦闘が開始される。
新しい師からは何を学び得れるだろうか。