【REBORN】最弱幹部は息を潜める 2nd Bullet (ページ42)

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目的66:裏側の柱ページ42

「……まず、俺が何者かって話になるんだが」

そう静かに扉の奥の彼は語り出した。

「最初に言っちまうと俺は7^3の対になる存在だ。
……といっても使命とか大層なモンは何もない。
俺はただ存在し続けるだけの概念だ」

いきなりとんでもない話から始まった。
正直なところ話が壮大すぎて自分の話をされていると思えない。
文章の意味は理解できてもうまく飲み込めていない。

「普通は俺の宿主となったやつは俺に気づくことなく普通に一生を終える。
だがときどきいるんだ。何かの拍子に俺に気づいちまうやつが」
「……私か」

という呟きに'そうだ、お前だ"と返ってくる。
つまりは、あまり知られていない7^3の裏側ともなる力が私の中にいると。

信じられるか！とは思うが、今までの様々な出来事を思い出す。
リング争奪戦やシロの形態変化した際の対象を止めたり凍らせたりする力。
何故か非7^3の影響を受ける体。
初代空の守護者の言葉。

「……初代空の'そいつがいるから大丈夫"ってもしかして」
「流石よく覚えてんな、俺のことだ。
一応言っとくが別に俺がボンゴレ好きだからとかそういうのは何もねぇからな。
リコリスもAも宿主となったのは偶然だ。
そいつらがどちらも空の守護者になったのも偶然だ。
世の中そんなもんよ」

彼はフッと鼻で笑うと'ここまでで質問は？"と私に問いかけた。
正直なところ質問しかない。
でも聞いたからといって理解が深まる気もしなかった。
ここまではそういうものだと飲み込んで、別のことを聞く。

「じゃあ白蘭が私の生捕りを狙ってるのって……」

「俺は今の宿主が死ぬと別の宿主に変わるだけだからな。
確かにアイツが7^3使って世界征服みたいなこと考えてるなら生捕りじゃなきゃ意味ねぇから正解なんだが……
何でアイツが知ってんだろうな」

腑に落ちないとでも言いたげだった。

少なくとも白蘭からすれば私が死ぬとこの概念、もとい彼を追えなくなるということか。
次の人が気づくとも限らないし、彼の言い回し的に気づく人の方が少なそうだ。
とりあえず今はそれだけでいい。

「……お前本っ当頭の回転は早いよな」

沈黙していた私にぼそりと彼は呟いた。

「褒められてる気がしないんだけど」
「だって褒めてねぇし」

彼は何度目かのため息を吐き続けた。

「冷静なのは大変結構なんだが、過ぎてもはや残酷なんだわ。
自分を軽く見過ぎ甘く見過ぎ。
お前にほいほい死なれちゃ俺が困るの！」