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目的58:それだけの話 ページ34

「……バレバレだった?」

布を下ろし、バイクの影から2人が恐る恐る顔を出す。

「いや、他の人たちは気づいてなかったと思うよ。私がそういうのに敏感だから気づいちゃっただけで」

気づいてたら誰かが指摘してただろうし、そもそも私がわかったのは日頃の行いと癖みたいなものだ。

「……で、聞きたかったことは聞けた?」

私はくすりと笑い、2人に成果を問いかけた。
すると2人は顔を見合わせて情報の整理を始める。

「うーん、ボックスとかミルフィオーレって何だろう?ケーキやスパゲッティの種類みたいだけど……」
「はひ〜、たぶんこの場合のボンゴレはツナさんのいるマフィアだと思いますけど……」
「まふぃあ?」

京子さんは本当に何も知らなくて、ハルさんはマフィアのことはほんの少し知っているらしい。
本当によくここまで誤魔化してきたものだと感心すら覚える。

「初めての潜入でそこまで情報得られたら十分だよ。本当は答え合わせしてあげたいけど、上司の意向に背く訳にはいかないからこめんなさい」

私は少し頭を下げる。
それを見た2人はあわあわと慌てた。

「待って、Aちゃんが隠してることに関わってないのはわかるよ!」
「Aさんは来たばかりですし悪くないですよ!」

それでも私は2人の知りたいことを知っている。
自分だけ隠し事をされる悲しさを知っている。
余計に申し訳なさを感じずにはいられない。

「それでも、やっぱり自分達だけ隠し事されるのは嫌だよねぇ」

もちろんリング争奪戦の私のときとは色々状況が違うのはわかってる。
あのときに私に隠していたのは反対するのが目に見えてたからだろうから、決して私を心配してのことではない。

ツナ達は彼女達になるべくそういう世界を知って欲しくないからだろうし、私とは違う。

「……内緒にされたことあるの?」
「……色々状況違うし、そもそもツナ達ではないけどね」

顔に出ていたらしい。
そういえばヴァリアー本部に戻ろうとした矢先にこの時代に飛ばされたので、リング争奪戦が終わってからボスやみんなに会えていない。
この時代のみんながあまりに普通に接するから忘れていた。
むしろ帰るのが遅いと怒られるかもしれないと胸の内で笑った。

「上司が私が気に食わない作戦を黙って実行して、怒った私がそれをぶち壊しただけ。ただそれだけの話」

そう、それだけなのだ。
それを自嘲せずにはいられないだけで。

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透嘉(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» 頑張ります!!!!!! (2021年12月18日 6時) (レス) id: 78d91e03ad (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 続き待ってます!!!!! (2021年12月16日 23時) (レス) @page35 id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
heathaze815(プロフ) - アメさん» ありがとうございます!嬉しいです!もっと面白いと思っていただけるように頑張ります!! (2021年12月1日 19時) (レス) id: 78d91e03ad (このIDを非表示/違反報告)
アメ - ほんっっっっっとうに面白いです!!! (2021年12月1日 12時) (レス) @page13 id: 18e6f4cdec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:透嘉 | 作成日時:2021年11月25日 0時

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