【REBORN】最弱幹部は息を潜める 2nd Bullet (ページ32)

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目的56:彼女の悪夢　〜ツナside〜ページ32

「ゔぉぉぉぉい！！何の用だテメーらぁ！！！」
「アホのロン毛隊長うるさいですー」
「ししし、潰す暇はないんじゃねーの？」

通話開始からこの騒々しさと相手からの嫌悪感があった。
今その場にいるのは3人だけのようだ。

「すみません。どうしてもすぐに聞きたいことがあって……
Aのこと何ですが……」

Aの名前を出すと3人とも静かに耳を傾けてくれた。
……のはいいんだけど顔が見えないからどう反応が返ってくるのかわからないのが怖い。
そして話終わった数秒後。

「何してくれてんだテメーらぁぁぁぁ！！！」
「お前らマジ切り裂き確定な」
「よくもまーそこまで的確に地雷踏み抜けましたねー」

やっぱりめちゃくちゃ怒ってるー！
スクアーロは声がさらに大きくなってるし、
ベルフェゴールは絶対今ナイフ持ってるし、
フランは明らかに声が低くなった。

「オメーらだって何も言わなかったじゃねーか！」

と獄寺くんがかみつくが、でも今回悪いのはあくまでも俺たちなわけでして。

「まぁ落ち着けって獄寺」
「うむ、今回ばかりは俺が悪い！すまん！！」

との2人の言葉で獄寺君もヴァリアーも舌打ちをしつつも一旦落ち着きを取り戻してくれた。

「……で、今Aネーサンは？」
「気を失ったままなのでベッドに」

じゃあそこはいいですねー、とフランはいつもの調子で言った。

「とりあえず今後Aにその手の話はすんなよ？
ガキの頃とかの話もNGな」
「ちなみに、その……理由は……？」
「本人も知らねぇボンゴレの最高機密を言うわけねぇだろうがぁぁぁ！！」

スクアーロの声に耳が物理的に痛くなりつつも、俺たちは顔を見合わせた。

「ボンゴレ最高機密？Aの過去が？」
「いくら何でも過保護すぎやしねーか？」

俺や獄寺君が率直な感想を口にする。
するとスクアーロは舌打ちをしてボソリと言った。

「俺らが決めたわけじゃねぇ。当時の上の判断だ。
別にAがどうとかじゃねぇ」
「今だと知ってるの本人と俺ら幹部と雲雀くらいになってるか、ししっ」

A以外にも様々な何かが絡んだ何かがあったことしかわからない。
でも彼女にとっても忘れたいほどの何かであったことは確実で、少なくとも今は触れない方がよさそうだ。

近い将来、彼女のトラウマは最悪の形で掘り起こされることになるとはこのときの俺達は思いもしなかった。