【REBORN】最弱幹部は息を潜める 2nd Bullet (ページ28)

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目的52:肉を斬らせて首を断った話ページ28

合流して日本の拠点に戻り、ミーティングルームへ通された。
いるのはツナ、獄寺君、山本君、笹川君、リボーンと私。

聞きたいこと、話すことはたくさんあるがさて何から話したものか。

「……まずはお互いお疲れ様？」
「え、あー……うん」

煮え切らないツナの返事。
これは主力戦のことをスクさんあたりが何か言ったか。

「本当に、こいつが……'悪夢"、か……」

信じられん……といった表現で獄寺君はこちらをまじまじと見る。

「スクアーロが言ってたんだけどよ、六弔花倒したんだってな！すげーじゃん！！」
「……運がよかっただけだよ」

殺しを封じられた暗殺者なんて牙を抜かれた獣もいいところだ。
あの彼が戦闘の技能も高くあって、相手が私だったからあの戦闘は成立した。
そもそも真六弔花というのがいるらしいからあくまで倒したうちの1人に過ぎない。

「その運はミルフィオーレがAを捕まえようとしてるってことか？」

彼の発言に他の人達は動揺する。
「ちょっ、山本？！」
「こいつ10代目も言いにくそうにしてることを……」

この反応からして、聞かれたくないけど聞かれそうな事柄が1つ浮かんでしまった。

「……そうだね。
私を捕まえようとしたから、私はあいつに勝てた」

核心部は言わずに次の言葉を待つ。
ただこれを言われるということは、
ヴァリアーの面々にもばれているということで。

「六弔花との戦闘で、それを逆手に取って、攻撃をわざと受けたって……本当？」

ツナが恐る恐る言った言葉に、やっぱり、と自嘲した。

「……わざとってわけではないんだけど、やっぱりばれてたかぁ」

肯定の言葉に対し、全員顔が青くなる。

「……なんで、そこまで」

獄寺君から声がもれた。
10代目に対する忠誠心が強い彼からその台詞が出たのは少し意外だった。

「きっと君だって、ボスが狙われたら守ろうとするでしょう？
他の幹部は別の敵を相手してて、私の管轄に敵が来たら、応戦するしかないじゃない。
ただ私が弱いからそうするしかなかっただけ」

むしろ生きてただけでぼろ儲けだ、と嗤う。
物理的に肉を斬らせて骨を断つなんて、やらずに済むならやらなかった。

「そんな「ふざけんじゃねぇ！！」

ツナを遮り声を荒げた彼はその勢いのまま、私の胸ぐらを掴んだ。

「いいか、10代目はお優しいお方だ。
リング争奪戦で死ぬくらいならリング捨てて逃げろって言うくらいにな！
そんなお方の下で、自分を捨てるような真似すんじゃねぇ！！」