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目的51: 猫かぶり 〜ツナside〜 ページ27

メローネ基地の攻略作戦が終わった翌日。
この時代の京子ちゃんやハルの家の様子を見に地上へ上がった。その帰り道でだった。

前触れなど何もなく。背後から声が聞こえたのは。

「ご機嫌麗しゅう、皆々様?」

一斉に後ろを振り返るがそこには誰もいなかった。
既に戦える人たちは各々武器を持ってはいる。

「どこをご覧になってるんです?」

再び声がした正面へもう一度向き直ると1人の女性が立っていた。
薄紫のワンピースと短い茶髪が風に揺れる。
今聞いた声が彼女から発せられたとは信じられないほど、素早い身のこなしとは無縁の立ち姿だった。

その見た目とは裏腹にみんな武器を構えて警戒を露わにする。

「10代目、下がっていてください!」
「……10日後まで手は出さないんじゃなかったのか」

獄寺くんと山本は今すぐにでも飛びかかるんじゃないかという気配。
でも目の前の彼女はそれに全く臆することもなければ
まるで戦う気も感じられない。

「あらやだ怖い怖い。別に驚かせる気はなかったんですのよ?」

むしろそれを見てくすくすと笑っている。
今の状況にデジャヴを感じた。
この時代じゃなくて、もっと前の……とそこまで考えてハッとする。

「待って!!」

咄嗟に武器を構えたみんなを止める。
彼女は俺の知ってる彼女と見た目も声も口調も雰囲気も全然違う。
でも、そんなのお構いなしに敵味方関係なく欺けそうな人を知っている。
俺は恐る恐るその名前を口にした。

「……………………………………………A?」
「……本っ当これだもん、自信なくしそう」

と聞き覚えのある声で言い、ニヤリと笑った。
その瞬間に彼女のまとう空気もがらりと変わる。
そこにいたのは間違いなくAだった。

「雲仙A……?!」
「え、でも確かあいつ黒髪だったし目も……」
「そんなのウィッグとカラコンでいくらでも」

と彼女は髪を指先でくるくるといじる。
そしてふと京子ちゃんとハルに目線を向ける。
彼女達は未だにぽかんとしていた。

「……そこまで驚かせるつもりもなかったんだけどなぁ。なんかごめんなさい……?
とりあえず、お見知り置いてもらえたら嬉しい、かな」

雲仙Aといいます、と彼女はにこやかに笑いかけた。
それに対し2人もはっとして

「笹川京子です」「ハルは三浦ハルっていいます!」
と打ち解けてるように見えた。

その一方で一瞬こちらを見た彼女の目が
'なんで2人は何も知らないの?"と口ほどにものを言っていた。

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透嘉(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» 頑張ります!!!!!! (2021年12月18日 6時) (レス) id: 78d91e03ad (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 続き待ってます!!!!! (2021年12月16日 23時) (レス) @page35 id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
heathaze815(プロフ) - アメさん» ありがとうございます!嬉しいです!もっと面白いと思っていただけるように頑張ります!! (2021年12月1日 19時) (レス) id: 78d91e03ad (このIDを非表示/違反報告)
アメ - ほんっっっっっとうに面白いです!!! (2021年12月1日 12時) (レス) @page13 id: 18e6f4cdec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:透嘉 | 作成日時:2021年11月25日 0時

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