【REBORN】最弱幹部は息を潜める 2nd Bullet (ページ25)

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目的49:仲間の差ページ25

最後の一撃の後、体勢を立て直せず地面に突っ込んだ。
無理するなと言われてるはずなのに過去一に無理をした気がする。
ここで寝てる場合じゃないのはわかってはいるが、残念ながら体が全く動かない。

「…………何が、お見事だよ」

結局最後は不意の一撃だった。
彼の最期の顔は驚きの中に笑顔も見えた気がする。
私も最期はあんな顔して死ぬんだろうか、なんてふと思った。
少しの羨ましさを感じたことは胸の内に秘めておく。

「柊隊長……！？」
「じゃあ近くに倒れてるのが雲仙Aか！」
「やつは虫の息だ、捕縛しろ！」

ミルフィオーレのものと思われる声が聞こえる。
とてもではないが逃れる状態ではない。
後先のことを考える余裕すらなかったのだから、
詰めが甘いとかそういうことではない。
ただ試合には勝って勝負には負けた、そんな感じ。

ここまでか、と目を閉じかけたとき、その視界で赤い炎が輝いた。

「うーわ、Aネーサン随分無茶しましたねー」

生きてますかー生きてますねーと答えを聞くことなく私を抱え上げる。

「ししっ、六弔花仕留めるとかやるじゃん」

その彼の前には金髪の後ろ姿が見える。
彼は振り返り、歯を見せて笑う。

「……フラン……ベル……」

そっちの六弔花は、とか他の状況は、とか
聞きたいことあるはずなのだが、それはフランに止められる。

「なんやかんやぜーんぶ大丈夫ですー」

と言った直後に目の前の隊員たちの断末魔とかぶって
爆発音と大きな炎が見えた。

「大丈夫になったの……今だよね」

フランとベルが対峙した六弔花は結果としてボスが倒したんだろう。たった今。

「……予知したんですー」

思わず笑いが漏れる。

「でも、助かったよ……ありがとう」

目の前の敵をあっという間に一掃し、2人はニッと笑って歩き出す。

「いいんですよー、さぁ戻りましょー」
「何もしてねぇお前が言うな」
「ナイフ投げないでくださーい。ネーサンに当たったらどうするんですかー」
「Aには当てねーし。だって俺王子だもん」

2人のいつもの会話を聞きながら意識を手放した。