目的61:空の大鎌 ページ37
シロは防御と拘束が得意らしい。
攻撃と索敵が得意なクロとも私とも相性は良さそうだ。
さて、この2匹をどう活かしたものかと思案しようとすると、シロが袖を口で掴んで引っ張った。
'大事なこと忘れてない?"とでも言いたげだ。
そういえば跳ね馬が
'ボンゴレ匣は匣アニマルそのものが武器になる"
ということを言っていた。そのままの意味ならば。
「……シロが、武器になるの?」
すると袖を離したシロは頷き光出して形を変える。
その光が収まったあとには私の身の丈を越える大鎌が鎮座していた。
柄も刀身も白く、刃文だけが赤い。
まるで血が滴ってるかのようだった。
試しに手に取り数回振り回してみる。
これほどの大きさなのに全く重さを感じない。
しかもこんな大層な武器使ったこともないのに、不思議なほどしっくりくる。
「へぇ…………え?」
ふと顔を上げると周りは真っ暗で、目の前には大きな扉があった。
死ぬ気丸は飲んでいない。移動もしていない。
全く心当たりもないまま、扉を見つめた。
「ついに何のきっかけもなしに来ちまうとは。
これも非7^3とリコリスの影響かねぇ」
扉の向こうから何度か聞いた初めて聞く声がする。
やはりあの声はこの扉の奥からの声だったのか。
「……初めましてと言うべきなのかな」
「どうなんだろうな……俺はお前を知ってるし、
お前も何となくはわかってたんじゃねぇのか?
扉の向こうに誰かしらいるってのは」
じゃなきゃ力使ったとき謝らねぇだろ、とその声は言った。
ここに来るのは3回目。
1回目は好奇心で手に入れた死ぬ気丸を飲んだとき。
2回目はリング争奪戦でボス達を止めるとき。
3回目は前触れもなく突然に。
私の知りたいこと知ってるであろうこの人に聞きたいことはたくさんある。
むしろありすぎて何から聞けばいいものか。
とりあえず向き合えないかと扉に手を伸ばす。
「おまっ……馬鹿、待て!」
その声と私の中指の先が扉に触れたのが同時。
そして僅かに扉が動き、その隙間から突風が吹き荒れた。
思わず目を閉じ、次に目を開けたときには先程までいたトレーニングルームであると思われた。
部屋全体が氷漬けになり、前方に一筋の大きな斬撃があること以外は。
「……は?」
呆然としていると、複数の慌てた足音が聞こえ、すぐに扉が開いた。
入ってきたのはツナ、獄寺君、山本君の3人。
「A、大丈……何これーー?!」
「すげぇ音したけどこれテメーが?!」
「ははっ、冷蔵庫みてぇだな」
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透嘉(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» 頑張ります!!!!!! (2021年12月18日 6時) (レス) id: 78d91e03ad (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 続き待ってます!!!!! (2021年12月16日 23時) (レス) @page35 id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
heathaze815(プロフ) - アメさん» ありがとうございます!嬉しいです!もっと面白いと思っていただけるように頑張ります!! (2021年12月1日 19時) (レス) id: 78d91e03ad (このIDを非表示/違反報告)
アメ - ほんっっっっっとうに面白いです!!! (2021年12月1日 12時) (レス) @page13 id: 18e6f4cdec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:透嘉 | 作成日時:2021年11月25日 0時