【REBORN】最弱幹部は息を潜める 2nd Bullet (ページ18)

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目的42:悪夢の生き証人ページ18

ボンゴレ奇襲作戦当日、イタリア戦線。ミーティングにて。

「……ボンゴレの奇襲作戦がバレてやがる」

無線にて作戦隊長は、先陣を切った部隊が圧倒的物量と戦力で追い詰められていると報告を受けた。

「しししっ、ザルだし雑魚かよ」

しかし比較的絶望的な状況にも関わらず、そんな空気は微塵も見受けられなかった。

「だが俺らのやることに変わりはねぇ！！」

ニヤリと笑い、私に視線を向ける。

「……本当正気の沙汰じゃないよねぇ。
こーんないたいけなクソガキに相手の城を落とすの任せるとか」

「そーゆーこと自分で言っちゃうあたりAちゃんもAちゃんよね〜」

私もこのくらいの軽口を叩けるくらいには現在の状況にはさほど危機感は抱いていない。
やることは相手の古城にいる指揮官の首を取りつつ、
相手の頭数を文字通り減らすこと。
予想以上に城にいる数は多そうではあるが、今までの'悪夢"と大差はない。

「作戦隊長ー、作戦に関してミーから提案があるのですがー」

と、そこでフランは小さく挙手をすると
他の幹部達も視線を向ける。

「Aネーサンが1人城を急襲して指揮官殺ってー、相手が崩れたところをわーって作戦だったと思うんですけどー、ネーサンにミーも着いていくのもありだと思うんですよねー」

予想より敵が多い以上、敵の頭数を減らすのは予定より時間はかかる。
私の負担も減るしでありがたい申し出だった。
ただ彼は術士なわけで、私との相性は最悪だ。

「……私幻覚当てられると大惨事だけど？」
「流石にそれは理解してますー。
Aネーサンは指揮官狙いだから上、
ミーは下でネーサンの幻術出したりして相手を散らすとかどーでしょー」

スクさんはほう、と思案する。
確かにそれならお互い足を引っ張ることもなく、作戦時間も短縮が狙える。

「アリだなぁ。よし、Aとフランで行けぇ！！」
「わーいやったー」

スクさんのGOサインに彼は手を高く挙げ喜ぶ。
めっちゃ喜んでる仕草なのにさほど喜んでるように見えないのは間延びした話し方のせいだろうか。

「しししっ、お前が自分から前に行くとか珍しいじゃん。どういう風の吹き回しなワケ？」

フランはいつもの調子で整然と言う。

「だって悪夢見てみたかったんですよねー」

その発言にハッとした他の幹部が口々に言う。

「フラン、俺と変われぇ！！」
「えー、ここは王子が行くべきでしょ」

等々あったが悪夢の見物人は変わらずフランになったとか。