【REBORN】最弱幹部は息を潜める (ページ7)

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目的06:ブラフ　〜ツナside〜ページ7

「雲のリング、ジャックvs雲雀恭弥、バトル開始！」

戦いの火蓋が切って落とされると同時に両者は駆けた。
次の瞬間にはジャックの足元で爆発が起こり、砂埃が激しく舞う。
そしてその場にいた全員が彼を見失った。

「はぁ？！あの野郎自滅か？！」
「しししっ、ンなわけあるかよ」
「流石だね、こういうことに関してはヴァリアー随一だよ」

慌てることなく見守るヴァリアーの幹部達。
それもそのはず。

砂埃が晴れると

「ばーん」

雲雀さんの後ろには彼の頭に銃を突きつけたジャックが立っていた。

「ーーーーッ！！」

雲雀さんは息を呑むと同時に身を翻し反撃に出るが
ジャックは後ろに跳んで躱し距離を取った。
いたずらっぽくくすくすと笑いながら。

「1回、死んだねぇ。次はないよ？」

彼は銃は携えたまま、右手で腰に下げていた剣を抜いた。
雲雀さんもトンファーを構え直し、再び同時に駆ける。

先に動いたのはジャックで、2人の中間地点に1発撃った。
再び砂埃が舞う。
弾に地雷ほどの威力はないようで今回はすぐに視界が晴れる。
ところが彼を相手取るにはその一瞬でさえ文字通り命取りになりかねない。

その場の全員が彼の気配を捉えようと意識を研ぎ澄ます。
しかし彼の気配はいつまでたっても消えることなく
雲雀さんとの距離を詰め、ついには剣の間合いに入る。
さっきまで人の意識の隙を突くような動きは
全部ブラフだったと気づいたときには遅かった。

「雲雀さん！！」「雲雀！！」

俺も山本も獄寺君もお兄さんも全員が叫んだ。
その声と同時に雲雀さんの首を剣が掠める。
リングをかけていたチェーンは切れ、リングは宙を舞う。
ジャックはそれをいつの間にか銃を収め、空いていた左手で掴んだ。

素早く下がるが雲雀さんの追撃を交わし切れず、その攻撃は仮面を直撃した。
その2つに割れた仮面はグラウンド外周のガトリングに粉々にされていた。

「……やっぱり完璧にはいかないかぁ」

俺たちと同じくらい歳の、透きとおるような黒髪をなびかせた少女は呟いた。

「まぁ私の勝ちだね、これでいい？」

とリングをチェルベッロに差し出すように見せる彼女がジャックであることを認識するのに時間はかからなかった。