【REBORN】最弱幹部は息を潜める (ページ18)

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目的17:21の裏側ページ18

頭がガンガンする
ギリギリ意識は失ってはいないものの
まともに動けそうにない。

遠くで色々声が聞こえる。
このままだとボスが10代目になるのかな。

嫌だなぁ

と率直に思った。
10代目に相応しいのはボスだとは思うけど
それでも彼に継いでほしくない。
それならボスよりも、沢田君に10代目になってほしい。

ボンゴレのために私ができることはまだ残ってる。
ただこれをすると確実にボス達から処刑される。

まぁ、いいか

ボンゴレの役に立てる……かはわからないけど
もう誰も殺さずに済んで、彼らに殺してもらえるのなら
私にしては出来すぎた最期だ。

隊服の内ポケットから死ぬ気丸を取り出し
2錠ほど口内で噛み砕く。

額に紫色の炎が灯る。
違う、ここじゃない。

深く潜る。

もっと奥の、ずっと奥の、さらにまた奥。
底にある、大きな扉にたどり着く。

扉の先には誰かがいて、
私がどうするかをじっと見てる気がする。

今は漏れ出す力だけで十分だ。
むしろ開けたら加減ができない気がする。
この先には何があったのかは知ることはないけど。

「ごめんね」

扉の先にいるかもしれない誰かに向かって謝罪する。
勝手に力を借りることなのか
それともここで私が終わることについてなのかは
自分でもわからない。

意識が再び浮上する。
不思議と体は動くようになっていて、
再び隊服の内ポケットからグローブを取り出し装着する。

ゆっくりと立ち上がり、マーモンの元へ歩く。
周りが止まっているように見えた。
マーモンの目の前まで行くと胸元に手を添えた。
彼はそのまま力なく落下した。
直後、周りが急に動き出す。

「……は？A、何で動けるワケ？」

ベルは素っ頓狂な声を上げる。
きっと突然マーモンが落下したようにしか見えないのだろう。

「何をした」

ボスが低い声で睨みつける。
私から言えることはほぼない。
私にもわかってないことが多すぎる力だから。

「私の切り札ですよ。
最初に使うのがヴァリアー幹部とボスになるとは思いませんでしたけど」

自分の手でボスの野望を阻むというのは
中々にくるものがあった。
しかしもう止まるわけにはいかない。

「ヴァリアーの敗北理由は、私の力を侮ったことです……謝りませんよ」

そもそもこの計画を幹部で話していれば
私もこんな強硬手段はとらなかったかもしれないのに。

もしものことは考えず、
後は黙ってボスと残りの幹部達を地面に伏せさせた。