【REBORN】最弱幹部は息を潜める (ページ9)

今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:38,984 hit

目的08:友人願望ページ9

「いや、なんか他の人たちと雰囲気が違うというか何というか……1人だけ俺たちとそこまで敵対してないような気がしたというか……」

実に的を得ている。すべて事実だ。

「まぁ、間違ってはないね。私は君たちを殺すつもりはないし。なんなら死なないでほしいし」

「あ、さっきまでのはあくまでブラフだから」
とも付け加えた。

「さっきまでのは100歩譲って'フリ"だったとして、
そこでなんで死んでほしくないにつながんだよ。
XANXUSが10代目の座を狙ってる以上俺たちは敵じゃねーか！」

獄寺君が声を荒げる。なんか私が気に入らない様子だ。
嫌われるようなことは……してるのかなぁ。
でも彼の考えと私の認識は大きくズレている。

「別に私に取って君たちは'味方じゃない"だけで
'敵"じゃない。
10代目候補とその守護者に選ばれるような有能な人間に死んでもらったらその先が困る。
10代目が決まったその先で、役立ってもらうときはきっと来る」

確信を持って答える。
そんな未来が来ないはずがないし、来てもらわなければ困るというものだ。

「それだと10代目になるのはXANXUSだって言ってるみてーだな」

足元からアルコバレーノの声がする。
マーモンもだけどアルコバレーノって得体が知れないんだよなぁ……

「そう意味で言ったわけではないんだけど……
だって極論10代目になるのは沢田君でもうちのボスでも私の成すべきことは変わらないから」

沢田君はどこか納得したような表情をする。
それをアルコバレーノが代弁するかのように言葉を紡ぐ。

「オメーは、どこまでも'ボンゴレの人間"なんだな」

実にいい言葉選びだと思った。
確かに私は他の幹部と比較しても考え方は異なっている。

「あぁ、その言い方はしっくりくる。
ただ1つ勘違いしてほしくないのは……
相応しいのはうちのボスだ。それは私の中でも現実でも揺らがない」

はっきり言い切ると沢田君が少し悲しそうな顔をする。
私が殺す気ないのを見破ったときも思ったが、
きっとこの子は戦うのが好きではないのだろう。
明るい世界で生きていた、優しい子。
でもきっとそれだけではないのだろう。
そうじゃなきゃうちのボスの相手となるわけがない。

もしも立場が違ったら、戦うことはなかったのだろうか。
なんて意味のない空想をしたりして。

「……これ以上話して情がうつったらどちらも幸せにはならないね。それでは良き夜を。
また明日、今度は対戦相手として」