番外編/短編/リク/その他諸々

"先生"【銀八】 ページ6

世の中にはどうしようもない事がザラにある。

例えば明日の体育大会。
運動が苦手なあの子はきっと雨が降って欲しいと思うけど降水確率は0%、間違いなく明日開催だろう。

例えば今度の期末テスト。
数学の範囲に微分と積分、イマイチ理解が出来ていない分野だけど間違いなくテストの出題範囲。これも本当にどうしようもなく起こる事象。

世の中なんてどうしようもない事だらけ。
苦手なあの子を好きにはなれないし、私を嫌うあの人は永遠に仲良くはなれない。だって全部がどうしようもないから。

だから。
これだってどうしようもない事の一つだと思う。



＊＊＊


キーンコーンカーンカーン…。


終業を知らせるチャイムの音、この音を聞き続けてかれこれ17年とちょっと。これを聞くと何となくソワソワ、わくわくするのは小学生も高校生も同じ。

やっと家に帰れる、やっと見たいテレビを見られる、やっとゲーセンに行ける。理由なんて人それぞれ、だけど皆同じ気持ち。

勿論のこと私もそうだ。


(やっと放課後か…)


一日中座っていて疲れた体を起こして窓の外を見れば夕焼けが見えた。この空模様なら明日は晴れだろうなぁ、とか思ってみる。

教壇に目を向ければ、ボサボサの天パ。ペラッペラのサンダルを履いて怠そうにLHRを行う坂田銀時、一応担任の先生。担当科目は国語全般、いつも大体やる気ナシ。

死んだ魚みたいな目で教室中を見回して、そして私の所で目を留めた。ほんの少しだけ口の端が上がる、割と日常的にこれをやる。

私は…先生の顔を見て、そして机に伏せった。多分怒られないから大丈夫。だって何か…ちょっとカッコ良いと思ったから。まぁ見慣れてるけど何度見てもカッコ良い。私って趣味悪いなぁ。

先生は多分面白がっているのだろう。笑いを堪えたような声が頭に降ってきた。後で絶対文句を言ってやる「先生のバカ」。昨日も言った気がするけども。



世の中なんてどうしようもない事だらけだ。
こんなどこが良いのかも分からない人が私は好きで、相手は先生なのに。先生なのに先生も私が好きだったりして。

でも好きだから仕方ない。
この気持ちは止められないし、変えられもしない、止めるつもりも毛頭ない。


坂田銀時。
私の担任の先生、担当科目は国語全般。

そして、私の好きな人。
今現在付き合っている人で。



そして。
彼は既婚者だったりする。





_____
ウワァァァ。
占ツクって不倫アリなんですかね！？

因みに指輪は着けていない()

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