HEARTRIS (ページ4)

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不思議なコページ4

felix side

昨日、奇妙な体験をした。

新学期1日目、クラス表の前で何やら困っている様子の女の子に声をかけたら、告白されてしまったのだ。

そのことを仲の良いジソンに話すと

HN「不思議な子がいるんだね？」

と興味津々に聞かれたが、僕は何もその子について知らない。

何せ告白されたと同時に逃げられてしまったから。

FL「あれ、なんだこれ、？」

昨日の夜から考え続けて気づけば靴箱の前。

時間の速さに驚きつつ、僕は靴箱に入っていた手紙のようなものが目に入った

何だか普通の手紙にしては重いな、と思いつつもそれを手に取る。

〈フィリックス先輩へ〉

達筆とはいえないけど可愛らしい字で書かれた封筒。

好奇心に勝てずに封を開けると、分厚い紙の束が姿を現した。

数えるとなんと11枚。

論文のようにびっしり書かれたそれを手に取り一枚一枚目を通す。

〈先輩に一目惚れしました。〉

〈・好きなタイプはなんですか。
　・好きな女の子の髪型は？
　・好きな香りは？
　・好きな女の子の服装は？〉

こんなことが11枚にわたって記されていた。

その時、隣からジソンがにゅっと現れて、

HN「何それ、もしかして例の子から？」

とまたも興味津々に聞いてきた。

僕は手紙に集中していて周りが見えていなかったらしい。

FL「み、見てた？」

ばっちり、と頷くジソンに目眩がして、思わず手紙を落とす。

絶対こんなの見せられない！と思ってさっと拾おうとするけど、それより先にジソンの手が伸びて手紙を掴んでしまった。

HN「うわ、すごいな、11枚も、。」

じっくり手紙を凝視するジソンにため息をつくが、ジソンは一枚一枚丁寧にめくっていく。

するとジソンが、

HN「でもこれ、名前が書いてないな。」

と不思議そうに僕の方を見た。

え？と聞き返し手紙を奪い取って見返すと、確かに自分の名前がどこにも記されていない。

あの不思議なコだと思って見ていたせいで、そんなことに気づかなかった。

これじゃあ相手の名前がわからないから、返事も書けない。

HN「探すしかないんじゃない？」

そんなジソンの言葉に、僕はゆっくり頷いた。