04 ページ5
「で、Aはサボりか?」
『違います。宴の踊りまで精神統一です、サボりじゃないです。』
「そうか!!」
ニコニコ笑って私の様子を伺う相手にため息が出る。彼は誰にでもこうなのだ。皆のことを疑わない、嫌ったりもしない。来るものを拒まない。将来が心配になるほど彼は真っ直ぐで疑うことを知らない世間知らずのお坊ちゃんだ。
『…で、カリム様は何しにここへ。』
「…なぁAその様付け辞めないか?昔みたいにカリムって呼んでくれよ!!なんかむず痒いんだお前にそう言われると」
『…決まりなので。』
「敬語もそうだし!!俺は気にしないぜ」
『カリム様が気になさらなくっても周りの方が気にされるんです…よ…。』
大きな瞳をこちらに向けて長いまつ毛が音を立てながら見詰めてくる。まるで仔犬のようだ。
『……はぁ。じゃあ、2人の時だけ…その時だけは昔みたいにカリムって呼ぶから…それで勘弁して。』
「ほんとか!!嬉しいなぁ〜」
ぱぁっと顔の周りにお花が咲いてるように見えた。それくらい嬉しそうに見える。
『…カリム…あのね。』
「んっどうしたんだ…?」
『…ううん、なんでもない。』
この気持ちを伝えるのはやっぱり辞めといた方がいい。カリムにとって私は妹みたいなもんなんだから。カリムを困らせるのは良くない。
「…あっわかった!!」
『えっ?』
目を輝かせながらカリムはAを抱き抱えた。
「うん、やっぱり。Aは軽いぞっ重くない!!天使みたいだなっ」
『…天使?…じゃなくてなんでいきなり抱き抱えるのよ!!』
「だってさっき重い女って言ってたからてっきり太ったとか気にしてるのかと思って…全然軽いし太ってるように見えないけどな。」
はははっと笑いながらもAを抱き抱えながらグルグル回っているカリムを見てAは呆れた顔を見せた。
176人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絵 - 最高すぎです! (2021年11月21日 8時) (レス) @page28 id: a4d316c6c5 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華(プロフ) - 桜奈さん» コメントありがとうございます。ジャミルは絶対に妹の幸せより先に自分の自由を考えるかなと思ってこうなりました(笑) (2021年9月6日 23時) (レス) id: f76049d4a6 (このIDを非表示/違反報告)
桜奈(プロフ) - 最後の妹がカリムと結婚したらカリムから離れられなくなるって‥そっちかい!って突っ込んでしまいました笑 (2021年9月4日 22時) (レス) id: d4cad16a17 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華(プロフ) - maさん» わーお返事遅くなってごめんなさい。嬉しいです、ありがとうございます。頑張って続き書きますね!! (2021年6月28日 15時) (レス) id: f76049d4a6 (このIDを非表示/違反報告)
ma(プロフ) - ほんとに好きです (2021年6月8日 14時) (レス) id: ac97d1e26e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蝶華 | 作成日時:2021年4月27日 21時