heartfelt X

side:gaku ページ49

寮に帰ると警察から連絡をもらったらしい偉い人たちから4人まとめて大目玉をくらった。


自分たちの立場弁えろ！とこっぴどく怒られたけれど、
大切な人守れてよかったな、と最後は笑ってくれて俺らも笑顔に



なはずだったけど、罰として3ヶ月間大浴場掃除を任命されてげんなり。





でもAが守れたから、それでいいんだ。





次の日、茨城新聞の一面には俺らのことが大きく取り上げられていた。
警察でお願いした成果もあり、Aの名前は一切出さず "ストーカー被害にあっていた女性を通りすがった鹿島のメンバーが救った" と聖真の考えたシナリオ通りの記事に。



俺らの名前はバッチリ載ってて、俺らヒーローだ！とみんなで喜んだり、それを見ていた偉い人に "凝りてないなら広間の掃除も追加" と言われて萎えたり。





あの後あの男がどうなったのかは知らない。きっと今は刑務所で暮らしているんだろう。ざまーみろ。



Aも今までのように楽しく生活ができるようになり、
このAストーカー事件は幕を閉じたのである。







『岳見て！ハマグリぱっくり！もう食べられるかな？』


岳「ホタテもいけるよ。サザエは食べごろいつだろう。」


『熱々！美味しい〜！』





俺たちは今、約束通り網の上で踊る貝を食している。





『カキはよーく焼かなきゃだめだよ。あたったら大変。』


岳「もうゲロで苦しめられるのは懲り懲り。」


『食事中に汚い言葉言わないで。』


岳「サザエそろそろ食えるかな。棒入れて.....くるん！」


『岳上手！』


岳「A、あーん。」





ぱくっと貝を頬張り、美味しいー！と笑うA。
またこの笑顔が戻って来て本当によかった。





岳「貝うまかったなー。」


『ね！炭火焼き美味しかった！』


岳「次は海鮮丼だな。やっぱ新鮮な魚介は生で食わないと。」


『もうお腹いっぱいだよー。』


岳「料理目の前にしたら食えるよ。今日は食い倒れツアーするんでしょ？」


『する！いっぱい食べる！でもちょっと休憩。お散歩しない？』





手を繋ぎながら海岸を歩いて聞こえてくるのは、波の音と彼女の楽しそうな笑い声。






『だんだんお腹空いて来た！』


岳「じゃあ行くか。」


『うん！』




目を細めてキラキラの笑顔を向けてくれるAに笑い返す。



細く華奢な手をきゅっと握りしめ、美味しい海鮮丼を目指してまた歩き出した。

作者より.1/22追記→←#

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