heartfelt X

side:masaki ページ26

会社を出ようと思ったらAのデスクの上にiPhoneが置いてあるのを発見。なかったら困るだろうしと思って届けに来たら泣きながらAが出てきてパニック。



でも、届けに来てよかった。




雅「その声に聞き覚えは？」


『わかんないっ、只々怖くて、気持ち悪くてっ、』


雅「ストーカーか.....」




泣きじゃくるAを慰めてソファに座らせた。本当は抱きしめてやりたいけど、そんなことしたら岳に怒られそうだからぐっと我慢。
ってかあいつはこんな時になにしてんだよ。





雅「このこと岳は？」


『知らないっ、言ってないっ、』


雅「言えよ。あいつ心配するだろ。」


『でも、岳はサッカーに集中して欲しくてっ、だから心配かけたくなくてっ、』


雅「んなこと言ったって、彼氏なんだから彼女守るのが役目だろ。」


『お願いっ、岳に言わないでっ、心配かけたくないの....！』


雅「わかったから泣かないの。」





よしよしと頭を撫でながら携帯に目を向ける。俺の社用携帯で番号検索してみたけど、ヒットせず。


会社の名刺には携帯番号が書いてあるからそこからかけてきてるんだろうけど、名刺なんてばら撒いてるし誰に渡したかなんて一々覚えてない。





雅「明日一緒に警察行こう。んで、これからは一緒に出勤と退勤しよう。」


『でも、そんな迷惑かけられないっ、』


雅「同じところ住んでるんだから迷惑じゃねーよ。Aになにかあったら困るだろ。警察がどこまで対応してくれるかもわかんねーし。」


『.....ごめんねっ、本当にごめんっ、』


雅「Aはなにも悪いことしてないんだから、謝ることないよ。」




泣いてるAの頭を撫でて、彼女が落ち着いてから部屋を出た。
本当は一緒にいてあげたいけど、それも岳に怒られそう。部屋から出なきゃなにも起こらないだろうし、万が一なにかあってもすぐ助けてやれるし。




それにしても、あいつはなにしてんだよ。彼女泣いてるぞ。




おまえが助けてやらないなら、俺がA奪っちゃうけど。

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