heartfelt X

# ページ25

ここ2週間ほど、毎日電話がかかってくる。
全部同じ番号で、無視しても何回も何回もかかってくるから仕方なく電話に出て、それでもただの無言。



やっぱり私取り憑かれてる。次のお休みは岳の誘い断ってお祓いしてこよう。やっと被ったお休みだけど....仕方ない。




今日も家へ着くとまた電話。嫌でも覚えてしまった番号にため息。最初は怖かっただけだけど、あまりのしつこさに最近はイライラ。
霊的なやつじゃなくて、人が悪意を持って悪戯してるならやめてくださいって言おう。





『もしもし。』


「......。」


『どちら様ですか？悪戯ならやめてください。次電話してきても出ませんから。着信拒否します。』


「.......Aちゃん、今日も可愛かったよ。」


『......え？』


「.......Aちゃん怒らないで。明日もお仕事頑張ってね。」




ぷつっと切れた電話にぞわっと鳥肌が立つ。
男の人の声。なに？どういうこと？可愛かったってなに？気持ち悪い。怖い。




これ、霊でも悪戯でもない。




ピンポーンと鳴るインターホン。
体が大きく跳ねて、お守りを握りしめる。怖い、どうしよう、電話の人？




鳴り止まないインターホンに震えながら体を抱きしめる。どうしよう、どうしよう.....！






「Aー？いないのー？」




聞こえた声にぱっと顔を上げて玄関の扉を開ける。







雅「おまえいるなら早く......A？」


『雅樹っ.....！』


雅「どうした！？とりあえず中入るぞ。」




雅樹の顔を見たら安心してボロボロと零れる涙。ぺたりと座り込んだ私の前に雅樹はしゃがみ込んで涙を拭ってくれる。





雅「そんな震えてどうした？」


『雅樹っ、怖いよっ、助けてっ、』


雅「大丈夫だから、泣かないの。」



泣きじゃくる私の頭を撫でてくれる雅樹。
私が泣き止むまで彼はずっと頭を撫でてくれて、少し落ち着いた頃、"話聞かせて" と言う彼を部屋に招き入れた。

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