涙が出ても - BAEKHYUN - (ページ10)

今日:1 hit、昨日:42 hit、合計:933,330 hit

ベクヒョンページ10

.

ゆっくりと深呼吸
そして化粧室を出た瞬間

"ドンッ"
勢い良く人とぶつかってその場に尻餅をついた

「った...」

?「すみませんっ!大丈夫ですかっ!?」

恥ずかしさとともに
つい笑う

「あははっ...平気です...すみませんっ」

うつむきがちに頭を下げ
立ち上がろうとした時相手が私の手を取った

「っあ」

?「怪我しませんでしたか?」

綺麗な手に深々と被った帽子
辺りが暗くてなかなか顔は見えない

「...はい、平気です」

?「...あれ」

「はい?」

?「さっきの」

「え?」

?「ハンソルたちと」

急に"ハンソル"の名前が出て
少しびっくりしたけど

「あなたって」

?「ベクヒョンです」

「ですよね」

これまたびっくり
よく顔を見れば

EXOのベクヒョンが目の前に立っていた

「...」

ベク「芸能人慣れしてますか?」

「...いいえ、まったく」

さすが芸能人
一般人にはないオーラ

ベク「ふふっ」

「...」

ベク「今まで会った一般人の方で1番冷静ですよ」

「...じゃあ、慣れてるのかな」

ニカッと笑った彼は
いつの日かTVの中で見た笑顔だった

「...ハンソルのこと知ってるんですか?」

ベク「有名ですよ、あの子」

「...そうなんですか」

ベク「悪い意味で」

「...でしょうね」

EXOのベクヒョンさんまでが知ってる
ハンソルの悪さ

ベク「まさか君も被害者だなんて」

「...」

ベク「あの子、芸能界でもあんな感じ」

「...噂だけ聞いたことあります」

噂通りだと知って
さらに後悔や悲しみが募る

ベク「そうだ、俺もうすぐ行かなきゃだから連絡先交換しましょうよ」

「えっ」

ベク「ダメですか?」

「...だってあなたアイドルですよ」

ベク「君なら大丈夫な気がして」

こんなことってありえる?
私みたいな一般人にそんなことして大丈夫?

「...本気ですか?」

ベク「はい、本気です」

彼の笑顔に負け
仕方なく出したスマホ

ベク「はい、どうぞ」

連絡先に
"ベクヒョン"その名が登録された

.