涙が出ても - BAEKHYUN - (ページ43)

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優しさページ43

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「...来る前にちゃんと連絡してよ」

ベク「心配してくれるの?」

そんな言葉に
ドキッと胸が鳴る

心配...
要はそういうことだ...

「...だって仕事あるじゃん」

ベク「素直じゃないなぁ」

「...ベクは素直すぎなの」

ベク「よく言われるんだよね〜」

またニコニコと笑う

さっきまで撮影してたようには見えないぐらい
元気で楽しそうで

「...ベクは本当にアイドル向きだよね」

ベク「え?」

「...アイドルを全力で楽しんでるって感じ」

ベク「...」

「ファンは幸せものだね」

私がそう言った瞬間
少し顔を曇らせたベク

ベク「...人事みたいに言うなよ」

「...」

ベク「俺は自分の選んだ人生を楽しんでるだけ」

「...」

ベク「Aだってそうでしょ?」

その問いかけに
うまく返事はできず黙りこんだ

ベク「...A」

「...」

ベク「...俺のことを信じて」

「...」

ベク「俺だけについてきて」

少し濡れた身体のまま
私をギュッと抱きしめたベク

冷たいのになぜか
ベクの身体は暖かくて

「...」

ベク「...あんな男のこと忘れて」

「...ん」

ベク「俺以外の男は見ないで」

いままでフラフラと歩いてきた

それをジュンギから聞かされたベクが
私を思って言ってくれてるんだと思うと

ベク「...ん?」

その優しさに涙が溢れた

ベク「...」

「...ごめん」

ベク「...泣いていい」

「...」

ベク「...俺の前では泣いていいから」

自由に泣けず心に溜め込んで

そんな日々から開放されたかのように
ベクの胸の中で止まることを知らないかのように涙が零れた

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