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生きる上で大事な物。衣食住、生活資金、あとバレーボール。無くてはならないものだ。多分それとは違う。大事。バレーボールという競技は俺の根幹にあるものだ。それと同じくらい大事なもの。「部活頑張ってほしいけど、授業中は寝ちゃだめだよ」そばにあるもの。「わかんないことがあったら言ってね」何にも変えがたいもの。「がんばれ！」
すべてがすとんと腑に落ちたみたいに。それはまるで、俺がコートにボールを叩き落とす瞬間に似ていた。あいつのために命を投げ打てるか、と聞かれたら、俺はあいつをそんな状況にいさせたくないと思う。それにあいつは優しいから、俺がお前のためにとか言って死んだりでもしたら、大葉をまた傷つけてしまうと思った。俺が腕に怪我をしたくらいでぼたぼた泣くような奴だから、尚のこと放っておけない。
だから、そう答える。
あどけなくて、少し意地っ張りで、負けず嫌いなところがあって、器用貧乏だ。自惚れることも嫌いだ、独りよがりなところもある。多分、そういうところをひっくるめて、
「愛しているんですよね」
ガタガタッ。
瞬間、俺が机に足をぶつけたせいで何人かの寝ている生徒が飛び起きた。教師は俺に「大丈夫？」と訊いてきたが、俺は平静を装ってそれに適当な相槌を打った。するとすぐに授業はまたいつも通り眠気を誘うものへと変わっていく。
「この文から読み取れるに━…」
早く、会いに行かなくてはと思った。猛烈に会いたくなった。名前を呼んで、あいつがどんな反応をするのかを知りたくなった。ここ一週間ろくに会っていなかったことを後悔するくらいだった。ただ、今はすぐにでも大葉に会いたくてたまらない。伝えなくちゃいけないことがある。どうしてもっと早く気づかなかったんだろう。
外周中に泣きそうな顔の天童から、大葉の所在を聞くのはこの後の話だ。
終わり
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あゆむ(プロフ) - ちこうさん» 読んでいただき、こちらこそありがとうございました！返信が遅くなってしまってすみません！；； (2020年8月8日 1時) (
レス) id: 67cd23fa6a (このIDを非表示/違反報告)
ちこう - ありがとう御座います!!!!!!!!!!!!! (2018年8月1日 13時) (レス) id: de82aeba6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆむ
| 作成日時：2018年5月3日 0時
