大好きなあなた【紫】 (ページ46)

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それは、紫耀くんが私を忘れてしまった日から、

約５年が経とうとしている時だった

私はゆうたを何度も何度も忘れてしまうけど

最近はよく定期的に思い出すようになっていた

そんなゆうたから、ライブを見に来て欲しいと言われた

ゆうただけじゃなく、みんなが見てみて欲しいというのだ

紫耀くんだけを除いて。

紫耀くんに私を思い出してもらおうという努力は、

私は一度もしてない。

だって、、

いつか、紫耀くんが自分で思い出す時は
きっと来ると思うから

なんて、私はそう思いたいだけで
正直逃げてるのかもしれない

この５年間、ずっとずっと考えたけど、

もう私を知らないっていうあの紫耀くんの顔は

今でも忘れられなくて

耐えられなかった

だから、ライブに行くなんてことになれば、
久しぶりに紫耀くんを見たら、

苦しくて息ができなくなるんじゃないかと思った

そう思えば思うほど、行こうとは思えないのに、

ゆうたの真剣な目を見て、行かないなんて言えなかった

会場に着くと、まるであの頃に戻ったみたいだった

初めて、わたしと紫耀くんが出会った日

記憶は鮮明に蘇る

私、覚えてる、、この感じ

いつかいつかと、みんなが待ち侘びるように

彼らを待っているこの時間も

突然、音が鳴り出して、聞こえてくる歓声も

振動が身体中を動かして、

唐突に現れる彼らから目が離せないことも

全部、全部、同じだった

でもひとつ違ったのは

私の知らない紫耀くんがそこにいたということ。

周りが見えなくなった

まるで、紫耀くんと私の二人だけの世界かのように

紫耀くんしか見えない

久しぶりに会っても、
紫耀くんへの好きはやっぱり
変わることなんてないって確信した

たとえ、私を知らなくても。。

ゆうたは私にとても良い席をとってくれたから、

距離が近くて、緊張する。

もし、目の前に紫耀くんが来ちゃったら、

家にいた不審者がまた現れたと思って

怖がらせてしまうのではないか、

あの知らない人って顔をされて

心がもたなくなるのではないか、、

でも、私のそんな不安を置いて、

ゆうたは、

神様は、

私を見捨てなかった。

絶対は絶対に、、ない。

どれだけ信じても

変わることのないものなんか、なかった。

信じてる。

絶対は絶対にある。

変わることのないものがある。