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わたしが冴とまだ
と言ってもこれはもう冴と凛の兄弟関係が最悪の状態になってしまった後の話で、わたしとの信頼関係もほぼ崩れかけていた時の話だけど。
『冴、まだ練習する？』
「ああ、お前は先に帰っとけ」
ここ最近、他のチームメイトが練習を引き上げた後も冴はしばらく残っていることが増えた。
凛ちゃんと今世紀最大の喧嘩をしてからだ。
仲直りもせずスペインに戻って来て、わたしには荒れているようにも見えたけれど、彼は試合で立て続けにアシストやシュートを決めていて周りから見れば絶好調だった。
『いい。残ってる』
「いいっつってんだろ」
『冴が帰るまでわたしも帰らない』
冴から少し離れたところで、試合映像を確認する。
疲れていないと言えば嘘だった。
でも、冴はもっと疲れているはず。
『……ねぇ、凛ちゃんとはまだ仲直りしてないの？』
「俺の前でアイツの話はするな」
『ごめん…』
冴は凛ちゃんの話をしなくなった。
そして、わたしともサッカーの話しかしなくなった。
ーーーーーーーーーーー
『ん…んー……』
眠たい。恐らく昨日夜遅くまでメンタルケアの勉強をしていたせいだろうか。
出そうになった欠伸を噛み締める。(あっ冴に見られた…？)
「チッ…」
どうやら彼には眠たいのがバレているらしい…。
『(それにしても舌打ちしなくてもいいじゃん)』
冴の態度にモヤモヤしていると、所属する下部組織のフィジカルトレーナーがこちらに近づいて来た。
「〈A、この後午後からコッチに顔出せるか？君もミーティングに参加するといい〉」
『〈わたしもですか？〉』
「〈ああ。必ず今後に役立つぞ〉」
予定を思い出せば、確かこの後は冴のトレーニング的にも大丈夫なはず…。
その時間帯は体力検査のデータをまとめようと思ってたが、ミーティングが優先だ。
となると、睡眠時間をまた削らなければいけないが迷いはなく、OKの返事をした。
「仕事あんなら戻っていいぞ」
『大丈夫。ここにいる』
フィジカルトレーナーが立ち去った後、冴はそう声をかけてくれたが、そんな気遣いすらもわたしは聞きたくなかった。
冴がどんどん1人で行っちゃう気がして、焦っていたからだ。
「……。」
そんな日々が少し続き、わたしと冴の関係を大きく変えてしまった“あの日”は着実に近付いていた。
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もふ - 最初からここまで夢中になるくらい引き込まれてました！最高です....！！続きが気になります....！最近ハマり初めて一気に好きになりました！最新話楽しみにしております！ (4月25日 22時) (
レス) @page19 id: 8a745f9241 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - アサリさん» コメントありがとうございます(^^)最新話も早速読んでいただけて嬉しいです。落ちは実はまだ未定なのです…。初恋は糸師冴と冴メインのお話が続いていますが、わたしもまだ迷っているところなので楽しみにお待ちいただけると嬉しいです！ (5月27日 0時) (レス) id: 5e3b7e37d3 (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - 新しく出たのも最高です。続きを楽しみにしています。 (5月25日 19時) (レス) id: af09d471c0 (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - もう一つ質問ですけど、この小説の主人公の初恋の相手は誰ですか？無理に答えなくてもいいですよ。 (5月25日 17時) (レス) id: af09d471c0 (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - この小説は最高です。続きを楽しみにしています。あと、質問ですけど、この小説の主人公の落ちは誰ですか？無理に答えなくてもいいですよ (5月25日 5時) (レス) id: af09d471c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2023年5月4日 14時
