席 ページ13
不意に動き出したのは私。
誰のかもしれない席の椅子を引き、スカートを整えながら座った
窓側から二番目の、前から４つ目
換気としてか、閉め忘れか
開かれた窓からは風が入み、頬を撫でる
『ここ、私の席なんだ』
『あっちの学校では隣は不登校児でね、風が直で当たるの。』
『夏場は風が吹くと気持ちいいんだぁ』
窓の外の晴れ晴れとした青空を見上げて話した
太陽がチカチカと目を照らして、瞬きを数回重ねる
すると、ショッピは私の一つ後ろの席に座った
「偶然やな」
「ここが俺の席」
頬杖をつきながら机をトントンと指先で２回叩く
『ほんと？すごい』
私はショッピと目を合わせるように後ろへと体の方向を変えた
『じゃあわたしたち、同じ学校だったらこうやっておしゃべりできるね』
”同じ学校だったら”
か…………
もしそうだとした、毎日ショッピに会えてこうして話もできて……
なんて
『(私にはちょっと無理だなぁ………そんなん心臓が何個あっても足りないや)』
今でさえ、胸の気持ちを隠しながら
心臓が口から出てきてしまいそうなくらい緊張してると言うのに
『……？ショッピ、どうしたの？』
ふと、顔を上げてショッピの顔を見ると少し悩むような表情を見せた
「い、や……俺あんまりクラスメイトと話すタイプでもないから……」
「こういうときって、何話せばいいかあんまわかんない」
馬鹿みたいなこと考えた
彼は、私と話すことで悩んでくれてる。
自惚れだってはわかってても、惚れた相手がそんなことと口に出したのなら嫌でも思ってしまう
『確かに、ショッピ教室でもスマホ弄ってそう』
「………」
じとっと私を睨むような目を向ける
『まさか図星ですかぁ？』
イエスノーも言わず、ショッピはそっぽ向いた
無言はイエスと受け取るとかいうから図星ってことか。
なんて、照れた顔を笑いで隠した
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和葉(プロフ) - 小説書けるのか、、、つまりけんちょは最強？！ (11月26日 6時) (
レス) id: 409f66c709 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク(プロフ) - 画力がある方って文才も持ち合わせているんですね！表現の仕方めっちゃ好きです！ (11月25日 21時) (レス) @page1 id: d6f8a4c568 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：健康体; | 作成日時：2023年11月25日 20時
