２.いや、過保護すぎ！【妖はじ】

４ー３ ページ6

「で、妖術を使う奴ん中にも色んな種類があるんやけど」



特定の行動をして妖術を使う動作型。
これは狸塚や泥田。

妖術を使えない型。
これはのっぺらぼうの狢やろくろ首の小泉さん。

自分の意志で妖術を使う意志型。
これは佐野や紅子。


中でも紅子や佐野の様な意志型が大変だと神酒先生は言う。
そこで何故大変なのかと晴兄は質問した。




「そら動作と違うて意志(ココロ)は自分でコントロールでけへん時もあるでなぁ…
カッとして思わぬ所で妖術を使てしもて大惨事〜いうんも珍しいことやあらへんよ」

『へぇ〜』




そういう事もあるんだぁ。
私の力も種類別でいうと意志型になるのかな？いやでも触らなきゃいけないから動作型？




「僕は狸塚君達と同じ動作型で酒を飲んで妖力を得て妖術を出すんよ。
酒が妖術の源やねん。ほなちょっと試したろか。」




神酒先生は何処からか大きな瓢箪を取り出した。
確か酒呑童子って言ってたから力関係の妖術？




「い…いーよ、いーよ」

「ホラ！俺ら昨年見たし…!!」




皆んな遠慮して神酒先生がお酒を飲むのを止める。
なんで？折角なら見せてもらえばいいのに？




「え〜僕見たい!!」

『私も私も！』


「「「黙ってろ!!
そのアホ毛むしり取るぞ！！！」」」




え、怖っ!?
なんでそんな怒ってるの!?


皆んなが止める中、神酒先生は少し見せるだけとお酒を飲んだ。




「こうやって酒が妖力の源になって本来の鬼の妖怪らしく怪力になったりするんよ」

『やっぱり力関係なんだ！』

「そうそう例えば…」




こんな風に…

神酒先生は笑顔のまま彼の背後にある黒板を破壊した。
少しヒビが入った程度ではなく、それはもう完全に使えないくらいに壊された。




「わかったかクソガキ共!!!」

「わわわわわかんないよ！
わかってたまるか！！」


『な、なんで神酒先生あんなになったの？』

「神酒はもの凄い酒乱なんだよ。
酒飲まないと妖術使えないくせに…」




神酒先生がまた酒を煽る。

暴れ出した彼から逃れるため、私とついでに晴兄は佐野の後ろへ隠れた。
狸塚はすでに佐野の手の中に収まっていた。




「昨年も酒が抜けるまで半日は暴れて学校半壊させてたんだ。」

『だから皆んな止めてたんだ…』

「よくクビにならなかったね…」



本当に…

そりゃ学園長も晴兄が学校から逃げ出したことを些細なことで済ますわけだ。
校舎半壊に比べたら些細だわ。

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