謝罪 ページ10
私は朝イチの教室がすきでいつも皆より20分ほど早く学校へ来ている。
私がいつもの様に校舎内へ入り階段を上がろうとした時後ろからリュックサックを掴まれた。
A「えっ?」
ジョングク「はぁはぁ…おはよ。」
そこにはまだ寝癖のついたジョングクがしっかり制服のボタンも止めきれてない様子でただただ息を切らしていた。
どうやら急いで走ってきた様子。
A「な、何。」
私は自然とジョングクには背筋が伸びた。
もう気にしてない…って言いたいところだけど、実はまだふとした瞬間に思い出してしまう。
そしてその度ため息が出るんだ。
ジョングク「お前さ、何でこんな早くから来んの?」
何でって…。
最初はただ人がいる教室に入っていくのは、視線を浴びるのが嫌だったから。
でも今は朝の誰もいない教室で静かに韓国語を勉強するのが…なんて言うかルーティンのようなもの。
A「別に…貴方に関係ないでしょ?」
今は助けてくれるテヒョン君やソユン、慰めてくれるホソク先輩はいない。
強気に行かなきゃ。
ジョングク「…へぇ……。」
ジョングクが私に顔を近づけてきた。
な、なに。
凄い威圧感と共に近すぎて恥ずかしく、顔に熱がこもる。
A「は、離れてよ!」
私は思いっきりジョングクの胸を押した。
ジョングク「うわっ…!」
_グラッ。
ジョングクが階段から落ちそうになる。
A「駄目っ…!!」
私が手を伸ばしてもジョングクには届かず落ちると思ったその瞬間。
グッとジョングクが右手で手すりを握り、腕の力だけで体を元の位置に起こした。
ジョングク「なーんちゃって…バーカw」
嘲笑うジョングクには、心底腹が立つ。
何こいつ。
前々からなんでこんなにムカつくことばっか。
A「…なんなの?もう私に関わらないで。」
私が再び階段を登ろうとした時ジョングクが私の手首を掴んだ。
ジョングク「待って。」
今度は何?
私が振り向くとジョングクは不満そうに視線を逸らした。
A「用がないなら…」
ジョングク「ごめん。」
え?
ジョングク「お前のこと傷つけたよね。
何も知らないのに、酷いこと言ってごめん。」
ジョングクの手がスッと離れた。
そして俯く。
はぁ…
A「いいよ。お陰様で勉強に勢威が湧きました。」
何だかジョングクが可愛らしくて笑ってしまった。
ジョングク「っ…!」
ジョングクがボーッと私を見つめる。
A「?」
ジョングク「え、あ、別に!」
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作者名:たんぐん | 作成日時:2019年8月26日 22時