希望 ページ7
ジョングクに痛いところをつかれ屋上のベンチでグズグズ泣いていた。
一生懸命勉強してるけど、やっぱり韓国人にはうざいって思われるのかな…
未だに話しかけてくれるのはソユンとテヒョンだけだし。
2人も気を使って…
私の頭は悪い方向ばかりに持っていかれる。
？？「世の中辛いよね。」
誰かがそう言いながら私の横に座った。
私がバｯと横を見ると、知らないけど綺麗な男の人が座っていた。
A「あの…」
？？「これ。」
男の人が手に持っていたのは私の韓国語手帳だった。
何かふとした瞬間に学んだことを書くための小さな手帳だ。
でもなんで…。
A「…何で持ってるんですか？」
？？「さっき階段で君が落すのを見て、追いかけてきたんだよ。…泣いてたし気になって。」
男の人は優しく爽やかに微笑んだ。
A「あの…ありがとうございます。」
？？「ううん。あと、君すごいね…。」
え…？
男の人は手帳をパラパラとめくった。
？？「なんでこんなに熱心になれるのか…普通の人ならうんざりして飽きちゃうのに。 あ、日本人？」
A「一応ハーフですけど…その韓国語は…。」
？？「あー、大丈夫大丈夫。 ふーん、あ、ここページなんかぎっしりじゃん…すごいなぁ…。」
その人のはお世辞ではなく何故か本当に言ってくれているような気がした。
心がほっと温かくなる。
そうだ。
たった一度の挫折で終われない…。
A「あの、ありがとうございます！私、韓国語で悩んでて…だからすごく…その…救われました！」
勢いで話したから少し伝わったか不安だった。
？？「うん！あ…えっと…」
男の人が何かを考えた。
？？『ナニカ…アリマシタラ、ボクニ…イッテクダサイネ .ボクハ チョン・ホソク デス.』
すごい。今まであった人の中で1番上手かも。
A『すごい！！』
あ。
つい日本語で返してしまい口を抑えた。
ホソク『アハハ、アリガトウゴジャイマス.』
独学なのかな？
A「独学ですか？」
ホソク「うん、日本が好きだから少し勉強したくて。 改めて、俺はチョン・ホソク。 2年生。」
先輩だ…ホソク先輩…。
A「私は…」
ホソク「イ・Aでしょ？」
ホソク先輩がクスッと笑った。
A「え、なんで？」
ホソク「1番最初のページにぎっしりと、私はイ・Aですって書かれてたから。」
A「あ、あぁ…なんか恥ずかしい。」
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作者名：たんぐん | 作成日時：2019年8月26日 22時
