月島蛍、4歳の妹を連れて【夏合宿】

いちばん ページ17

『ごめんなさい…。』


「分かってるならいい。
でもね、ちゃんと約束守らないと、周りの人が困っちゃう。わかった？」


『うん。わかった。』


「ん、いい子。」



先程とは打って変わってしょんぼりとしてしまうが、


これは合宿中Aを守る最低限の約束。


僕だってずっとAの傍にベッタリ居るのは無理だから

Aには安全な場所に居てもらいたい。



そう簡単に色んなとこに行かれちゃ困るからね。




まぁ僕の妹は頭がいいから大丈夫だろう。


だめなことはだめって教えれば、しっかり分かる子だから。



にしても珍しい。


Aは物分りがいいから、約束事はちゃんと守ることが多いんだ。


まぁいつもと違った場所に来て、ちょっと気分が上がったのかな。



「いつの間に黒尾さんと仲良くなったんだね。」


『うん！あのね、くろおのかたぐるま、とってもたかいの！！』


「そっか。黒尾さん肩車なんてすみません。
あと一応先輩なんだから"くろお"じゃなくて"くろおさん"ね。」


『くろおはくろお！ね、いーよね？』


(黒尾)「いいってこと！さてご飯食べますか、」


(灰羽)「Aちゃん！黒尾さんより俺の方が身長高いから肩車高いよ！！！」


(黒尾)「Aちゃん怯えてんじゃねぇか、謝れリエーフ。Aちゃんは俺の肩車が1番だもんな。」


(夜久)「いーや、俺の抱っこだよな？」


『みんなちがうよ、いちばんはおにーちゃん！』



僕の妹は、コミュニティ能力が高いらしい。

もうすっかり音駒に馴染んでて。


ただ僕は1番って言われた事で、頬が緩むのを隠すのに必死だった。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

《おにーちゃんがいちばんよ、》

〈そう。〉

《ふふっ！》



((カップルかよ！！！！))

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