おおきなこえ ページ12
side 赤葦
月島の地雷を黒尾さんが踏んで、
少し人が多くなった反面、等の目的の月島はいなくなった第三体育館。
そこにはAちゃんが1人、残されていた。
(黒尾)「はぁ…。まぁとりあえず練習___」
『おにーちゃんに…！おにーちゃんのことあんまりいわないでよ！！』
その小さな体からは想像できないほどの大きな声。
みんなが驚いてAちゃんを見ると、ぱっちり二重の瞳からは大きな涙の粒が。
『おにーちゃんはちゃんとかんがえてるのよ、』
(黒尾)「え？」
『けいにぃは、くらべっこされるのが、いちばんいやなの！おにーちゃんはおにーちゃんなのよ！！』
ヒックヒックと時折しゃっくりを上げながら、
一生懸命俺たちに月島のことを伝えようとしていて。
『わたし、おにーちゃんをわるくいうひと…だいっきらい！』
その言葉を最後に、大粒の涙が滝のように溢れ出す。
俺たちはAちゃんに何も言えなかった。
黒尾さんが月島を悪く言ったのではない事は確かで、あれは所謂挑発だ。
ただ月島が気分を害したのは事実。
俺は月島の前では平然と笑って立っていたのに
月島が居なくなった瞬間に、
兄を庇って泣き怒るAちゃんの、年相応では無いその姿に驚いた。
『でもね…。』
ぽそり、と。
『おにーちゃんがもし、なにかきいてきたら、こたえてあげてほしいの…。』
『きっときくのは、わたしじゃない…。』
少し俯いて、本当に小さな声でポソりと。
寂しそうな声音で、小さな背をもっと縮めこませて。
さっきまでぼろぼろと出ていた涙を無理やり堰き止め
走ってきたであろう月島に駆け寄った。
『おにーちゃん！』
「え、なにA泣いた？」
『ないててないよ、』
「いや泣いたでしょ」
『ないてない。』
「泣いた。」
『ないてない。』
まるでさっきまで泣いていた姿を想像させない姿。
月島と兄弟として言い合いをする姿。
居たのは笑みを貼り付けて、目を擦っているなんだか無邪気な子供。
(黒尾)「やっべぇな。」
(赤葦)「月島が賢いって言ってましたけど…ここまでとは…。」
4歳で、4歳で。
誰かを気にかけ、感情すらもコントロールして。
それで貼り付けた愛想笑いもできる。。
(木兎)「なんか、なぁ。」
(赤葦)「…？どうしたんですか？」
(木兎)「ま、いっか！赤葦！トス上げてくれ！」
第三体育館にはまた新たな空気が流れ始めた。
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雷 - 3歳なの？4歳なの？曖昧なのか？ (2022年8月17日 14時) (
レス) @page49 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これからどうやって仲直りするのかドキドキです！ 楽しみにしています (2020年8月23日 13時) (レス) id: a187e33be6 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - すごく泣きそうになりました。涙腺よわくなったのかな、、ありがとうございます頑張ってください！！ (2020年8月20日 23時) (レス) id: e043872dfc (このIDを非表示/違反報告)
ぽ(プロフ) - 妹ものの作品を月島くんだけじゃなくて及川さんとかで書いていただけるとうれしいです！ (2020年8月16日 22時) (レス) id: ecbf6df878 (このIDを非表示/違反報告)
アル - 続きが気になります！更新頑張って下さい！！ (2020年8月7日 20時) (レス) id: 14f18f48ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絢 | 作成日時：2020年5月27日 18時
