七日目 ページ11
デスクワークばかりやってろくに運動していないツケが来たのだろうか、鉄朗が次の日起きてきたのは11:30だった。
大層大きな欠伸をひとつしながら。
昨日私が見た時は出かけた時のままの服だったのに、ダボダボのTシャツとスウェットを着ているということは、夜一度起きてお風呂に入ったのだろう。
「おはよう。お昼どうする？」
「んー…なんか適当に……。あれ稜は？」
「お友達のところに遊びに行ったよ。全く子供ってすごいよね。」
子供の回復力とは底知れぬもので、昨日はあんなにクタクタになっていたのに、朝起きた時には既に元気ハツラツ。
9:00になった途端帽子を被り、ご近所の唯斗くんと遊んでくると飛び出していってしまった。
どこから遊ぶ元気が出てくるのか。
それから適当に私は昼ごはん、鉄朗は少し遅めの朝ご飯を食べて、まったりと。
ソファーに腰掛けて文庫本を読んでいると、鉄朗がおずおずと視界の端に入ってきた。
「……なんもしねぇのな。」
「当たり前。」
鉄朗の貴重な一週間の夏休み、その大半を私たち家族に使って貰うべく、沢山振り回した。
本来ならば労わるべき所を。
そんな鉄朗に対する、せめてものお礼。
夏休み最終日の今日くらい、自身でゆっくりして欲しいとの趣旨を話すと鉄朗は驚いた顔をした。
そして私の頭を撫でながら「ありがとな。色々。」と。
感謝をするのはこちらの方である。
激務な鉄朗に色々付き合ってもらって、本当に私も稜も楽しかった。久々の団欒。
「こっちも、ありがとう。」とはにかみながら伝えると、鉄朗は私の肩に頭を垂らした。
「……我膝枕を所望す。」
「……三十路にもなって？」
鉄朗の精一杯の甘えを茶化すと、ぐでぇっと体を詰らせながら「三十路は膝枕しちゃダメなんて法律、ねぇだろうがよぉ……。」と。
その顔があまりにしょげていて面白くて、思わず吹き出す。
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瑠璃 - めっちゃいい話😭😭泣きました。号泣でした。素敵なお話ありがとうございました❗ (2022年10月24日 20時) (
レス) @page17 id: 6c259301f0 (このIDを非表示/違反報告)
もやし - 素敵なお話すぎて私泣いてしまいましたwこれからも頑張ってください！ (2021年10月7日 0時) (レス) @page15 id: e06502b7ba (このIDを非表示/違反報告)
ナハマヤラ(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました。幸せいっぱいになりました。 (2020年8月2日 0時) (レス) id: eb3cd14925 (このIDを非表示/違反報告)
HYDE君 - 占ツクで、読んでてこんなに幸せな気分になれたことなかったです( ´∀｀)黒尾夫婦尊すぎて...そしていつ君可愛すぎます(//∇//)すっごく癒されました！ありがとうございます(._.) (2020年8月1日 0時) (レス) id: c1b5418976 (このIDを非表示/違反報告)
蒼爽(プロフ) - 絢さん» 何度も読み返して何度もにっこりホッコリしてます笑 ありがとうございます(TT) (2020年7月29日 19時) (レス) id: 16faa558cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絢 | 作成日時：2020年7月26日 11時
