59.月島蛍の弱点 ページ9
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『それもこれも全部ツッキーのせいだよ』
ムフフと上機嫌に笑うAを訝しむように眺める月島は、それ以上追究するほどの興味もなかったのか「ふぅん」と適当な相槌を打った。
それから「ご馳走様」と両手を合わせて腰を上げると、流し台へ食器を運び始める。
しまった。まだ口説き落とせていないのに＿＿焦るAも自分の分の食器を手にして月島の背を追いかけた。
『ツッキー、洗い物は私がやっとくから置いとくだけで大丈夫だよ！ もちろん明日からもずっと！』
「だからそういう待遇は要らないし、明日からは来ないし、君に借りを作りたくもないんだってば」
『私はツッキーに貸しを作りたいし、何なら弱みも握りたいし、どんな手を使ってでも明日もここに来てほしいんだってば〜！』
洗剤とスポンジを手に取った月島に横から体当たりして場所を奪い取ろうとするも、彼の身体はビクともしない。
『恐るべき体幹……！』
「伊達に鍛えてないからね」
フッとこちらを見下ろしながら意地の悪い顔をする月島。
それでも実力行使を諦めないAは、それならばと彼の手から泡立ったスポンジを奪い取るため、手を伸ばしてまたひと悶着。
結果として二人とも両手が無駄に泡々になるわ敗北するわで散々だったが、途中から意地の張り合いが楽しくなってしまったAはケラケラと笑いながらご満悦。
そんなAを呆れた様子で横目に見ながらも、月島は黙々と皿洗いに励んでくれた。
「＿＿＿それじゃあ僕はもう行くけど、ちゃんと鍵はかけるようにね」
玄関先、靴を履いた月島が後ろを振り返ってそんな注意をこぼす姿に、Aは漠然と兄の姿を重ねていた。
家に帰ったら必ず鍵をかけるように。チェーンロックも忘れるな。
偉大なる兄から耳が痛くなるほど＿＿いや、目が痛くなるほど送られてきた文面である。
『お兄ちゃんみたい』だなんて思ったことをそのまま口にすればきっと彼は「一緒にするな」と怒ること間違いなしなので、言葉にすることはないけれど。
友達であり、兄のようであり、Aの生き方に大きな影響を与えた人。
そんな月島ともっと親しくなりたいのに、想いは完全に一方通行である。
その顔に不満を滲ませながら彼を見送ろうとしていたAの前に、スッと何かが差し出された。
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ゆな - 更新楽しみにしてます！ (5月7日 21時) (
レス) id: cb4c8a46ee (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ふゆねこさん» そう言っていただけて嬉しいです😭GW付近からまた更新再開目指して頑張りますね！ (4月20日 20時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます、嬉しいです！！ (4月20日 20時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ぽにさん» わぁ、わあぁ、、嬉し過ぎてちいかわ構文出てきちゃいました😭 またぼちぼち更新していきますので、是非また見に来てください☺️ (4月20日 20時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆねこ(プロフ) - この小説ほんと大好きです！マイペースに続き待ってます！ (4月1日 22時) (レス) @page18 id: cd0c30d1f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メケメケ | 作成日時：2024年2月29日 22時
