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売られた喧嘩は見逃さない男こと月島は、Aの発言にカチンと来た内心とは裏腹に、ニコリと爽やかな笑顔を浮かべる。
「そんな僕でも、恋愛のれの字も知らないような君ほどピュアなわけじゃないから」
何故唐突な煽りを受けたのかは分からないが、月島の挑発に今度はAがムッと上唇を突き出した。
『前にも言ったでしょツッキー。私、こう見えても結構人気者なんだよ』
お前はどう見てもクラスの人気者ポジションだよと胸の内で突っ込む月島に、Aがふんぞり返りながら言う。
『部活引退後は彼氏だって出来ちゃったし？ 酸味も甘味も塩味も苦味もうま味もあらかた堪能しちゃったもんね』
「五味全部味わっちゃうの珍し。酸い甘いだけじゃないんだ」
引退後、彼氏が出来たというのは紛れもない事実だ。
けれど、実際のところ交際期間は一カ月にも満たず、五味どころか酸いも甘いも味わう事のなかったAはへへっと曖昧な笑いを返した。
付き合っていたのは例の男バレ元主将。
恋愛解禁となった直後、彼からの猛アプローチを受けたのだ。
以前から自分を一途に好いてくれていたのは分かっていたし、A自身恋愛というものには興味があった。
それに、相手の事を好きだった訳ではなかったが、彼は顔も性格も悪くなく、何より身長が高かった。月島ほどではなかったけれど。
Aの高身長好きは幼いころから一貫しており、付き合えばそのうち相手に恋愛感情を抱けるだろうと思っていた。
が、現実はそう上手くはいかず。
手を繋いでも、ハグをしてみてもトキメキという感覚は理解できないままだった。
それなのに、交際期間が長くなればなるほど次のステップに進まねばならないという強迫観念だけはあったものだから、怖くなって逃げ出してしまったのだ。
とどのつまり、キスしたくなかったから別れた。
自分が大げさに考え過ぎていただけだという事は分かっている。
キスなんてたかが皮膚と皮膚＿＿もしくは粘膜と粘膜の接触。
唇の細胞は短期間で入れ替わると言うし、キスをしたところで一週間もすればその事実は消えてなくなるのも同然である。
と、頭ではそう理解できているのに、その一線を越えてしまえば大切な何かを失いそうで、自分が変わってしまいそうな気がして怖かった。
未知の領域に対する警戒心だったのかもしれない。
それに、彼とキスをしたところで自分が恋というものに目覚める事はないだろうと、頭のどこかで分かっていたのだ。
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ゆな - 更新楽しみにしてます！ (5月7日 21時) (
レス) id: cb4c8a46ee (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ふゆねこさん» そう言っていただけて嬉しいです😭GW付近からまた更新再開目指して頑張りますね！ (4月20日 20時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます、嬉しいです！！ (4月20日 20時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ぽにさん» わぁ、わあぁ、、嬉し過ぎてちいかわ構文出てきちゃいました😭 またぼちぼち更新していきますので、是非また見に来てください☺️ (4月20日 20時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆねこ(プロフ) - この小説ほんと大好きです！マイペースに続き待ってます！ (4月1日 22時) (レス) @page18 id: cd0c30d1f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メケメケ | 作成日時：2024年2月29日 22時
