愛しいイモウト ページ24
その言葉を聞き、グレンが忌々しげに呟く
「くそ、また貴族が増えやがった」
グレンの姿はもうボロボロだった
あらゆるところから血を流し、髪も乱れている
辛そうだなぁ
他人事のように思う
実際、他人事なのだけど
そこでグレンが命じた
「総員離脱態勢‼」
どうやら新宿は捨てるつもりらしい
これでクルルに怒られなくて済む
可愛い顔してあの子すごく怖いからなぁ
「撤退だ‼陣形を保ったまま、新宿城壁内へ後退‼」
人間たちが動き出す
それを見て、フェリドが嗤った
「逃がさないよ〜ん」
一瞬で、彼は優ちゃんの背後に回り込む
優ちゃんはフェリドに向かって、反射的に刀を振るった
人間にしては素晴らしい反射神経だ
だが、私たちにとっては取るに足らないことだった
全部フェリドに任せておいてもいいかな
あいつ一人で全て片付けれそうだ
フェリドの横からグレンが攻撃を仕掛ける
しかし彼はそれをあっさり避け、彼の顔面を蹴り上げた
ゴッという鈍い音がして、グレンは後ろに倒れる
「グレン‼」
優ちゃんが叫ぶ
あぁあ、駄目じゃない
そう簡単に隙を見せたら
フェリドがその隙を見逃すはずもない
彼はニヤリと口角を上げる
そして優ちゃんの肩を掴み、
「まずは君から味見……」
だがそこで、彼の腕が吹っ飛ぶ
ミカエラ君が攻撃したのだ
私は言う
「ちょっとミカエラ君。そんなに怒らないでよ。フェリドも一応味方なんだから」
「一応って酷いなぁ」
私の言葉に、彼はへらへらと笑う
そういう態度を取るからだよ
彼はそのことに気づいているが、直そうとしないのでタチが悪い
今更直されたところで、信頼は回復することはないと思うが
そこでミカエラ君が動く
優ちゃんの前に立ち、言う
「全部捨てて、僕と逃げよう!」
それに対し優ちゃんは、困ったように言う
「へ?いや、逃げるって……」
「いいから‼」
彼は無理やり優ちゃんを抱き上げる
そしてそのまま、この場から離れた
「優さ……‼」
彼の名を呼ぼうとした彼女の首を掴む
地面に固定させて、身動きが取れないようにする
苦しそうにもがいているが、気にしない
それからフェリドに聞く
「足止めって、こういうことでいいの?」
「さすがA。理解が早くて助かるよ」
そういう彼もグレンの首を掴み、持ち上げていた
私もグレンを捕まえて、彼の血を飲めば良かったなぁ
そう思いながらも、私は下にいる少女を見た
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルカ - 吸血鬼側の夢主大好きです。これからも更新頑張ってください！ (2017年10月29日 12時) (
レス) id: fafbd1fba3 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 山田花子モドキさん» ありがとうございます！そう言ってくださると嬉しいです。更新頑張ります！！ (2017年8月25日 23時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
山田花子モドキ - 更新頑張ってください！！こういう作品あまりないので、とっても面白いです！！ (2017年8月25日 18時) (レス) id: 11c8cc3cad (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - こけしさん» こちらこそ、ありがとうございます。 (2017年7月28日 23時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
こけし(プロフ) - ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ星を百個あげたいっ！！ありがとうございますうううううう← (2017年7月26日 0時) (レス) id: 7f4d6f5010 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち | 作成日時：2017年1月14日 20時
