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幼馴染とのサイカイ ページ15

あれから更に数日後
遂に、吸血鬼と人間の戦争が始まった

私たちは領土を奪還するため、出始めに新宿を襲撃していた

『緊急警報‼緊急警報‼吸血鬼たちの襲撃がありました‼』

うるさいアナウンスが辺りに鳴り響く

私はそれを、トラックの上でぼんやりと聞き流していた
あちらこちらから、轟音と耳触りな金属音も聞こえてくる

ふと地面を見ると、そこには大量の血と肉の塊があった

見るも無残な状態だ

美味しそうな血の匂いが、辺りに充満している

人間の頃は、この匂いが嫌で嫌で仕方なかったのに
全く、皮肉な話だ

「派手にやってますねぇ〜」

「………」

私は今、フェリドとミカエラくんと行動を共にしていた

今回の司令塔はフェリド
私はその補佐を任されていた

つまりこの戦時中は、彼と行動を共にしなければならない

非常に苦痛だ

彼の従者であるミカエラくんがいることが、唯一の救いだった

なんてことを考えていると、何処からか視線を感じた
私は視線を感じる方へと、視線だけを移す

そこには、一人の男が双眼鏡を構えていた

黒髪のオールバックに、アメジストの瞳
その顔を見て、私は思わず呟いた

「……グレン」

彼は、私の初恋の人に酷く似ていた
恐らく、いや間違いなく、グレンだろう

彼も私の姿を見て、驚きの表情を浮かべていた

それもそうだろう

何せ私は、あちらにとっては、もう既に死んでしまった存在なのだから
本当は、私は殺されるはずだったのだから

彼は表情こそ崩さなかったが、瞳は少し波打っていた

吸血鬼の視力は恐ろしいほど良い
だから、彼の細かな行動も、ここからはっきりと見えた

彼は、明らかに動揺していた

誰だって、知り合いがバケモノになれば動揺くらいはするよねぇ

「……吸血鬼になる前から、私はバケモノだったけれど」

誰にも聞こえないように小さく呟いてから、私は彼から視線を外した

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ルカ - 吸血鬼側の夢主大好きです。これからも更新頑張ってください! (2017年10月29日 12時) (レス) id: fafbd1fba3 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 山田花子モドキさん» ありがとうございます!そう言ってくださると嬉しいです。更新頑張ります!! (2017年8月25日 23時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
山田花子モドキ - 更新頑張ってください!!こういう作品あまりないので、とっても面白いです!! (2017年8月25日 18時) (レス) id: 11c8cc3cad (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - こけしさん» こちらこそ、ありがとうございます。 (2017年7月28日 23時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
こけし(プロフ) - ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ星を百個あげたいっ!!ありがとうございますうううううう← (2017年7月26日 0時) (レス) id: 7f4d6f5010 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2017年1月14日 20時

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