メンバー全員俺の嫁 (ページ12)

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弟からのOKを無事もらえた俺は、携帯をジェスに返しながらさっきの質問に答えた。
って言っても、昨日弟が泊まりに来てちょうど家にいるってことを話しただけだけど。

「不幸中の幸いってやつか」
「ってか、俺も久しぶりにAんち行きたい！」

笑う北斗の横で、慎太郎がキラキラと目を輝かせた。
そういえば、たろが最後に俺の家に来たのって、半年くらい前だった気がする。

『いいよ、いつでもおいで』

泊まりも大歓迎だから。
そう付け足せば、やったー、だなんてニコニコ笑ううちの末っ子、めっちゃ可愛いよね。

俺はメンバー全員いつでもどこでも大歓迎だけど、樹とか高地とかはあんまり人の家に泊まりたがるタイプじゃないからなぁ…
なんて思っていると、まさかの樹から爆弾発言が投下された。

「…ねぇ、それ、俺も泊まっていいの」

え、樹が誰かの家泊まりたいって言うの、珍しくない？
ほら、ジェシーとか大我もびっくりした顔してるよ。

同じく珍しいものを見たと言いたげな高地が、樹に視線を投げた。

「樹、変なとこ潔癖じゃん。誰かんちで泊まるの苦手じゃなかった？」
「なんか泊まりたい気分なの！」
「どんな気分だよそれ」

『ははっ！んじゃ、気分乗った時連絡して？待ってるから』

頷く樹の頭を軽く撫でる。
そのあと、後ろで何か言いたげな北斗に声をかけようとしたところで、ノック音がした。

コンコン

“綾城の弟です”

聞こえてきた、慣れ親しんだ弟の声。
俺がどうぞと言い切る前に、ドアが音を立てて開かれた。

「ちょっと兄ちゃん！スマホ忘れるとかバカすぎるんだけど！」

……怒声とともに。

『ごめんって。わざわざありがとね、秋』
「変なところで抜けてるのやめてよね」
『はは、気をつけるよ』
「もう…次遊ぶとき兄ちゃんの奢りだから！」

『はいはい…って、あ、』

怒りながらもちゃっかり俺にたかってくる秋からスマホを受け取ったところで、ポカンとしているメンバーが目に入った。

あ、置いてけぼりにしちゃった。

『ごめんごめん、紹介してなかったね。こいつが弟の秋』

俺の言葉に、口々に自分の名前を言いながらよろしくね、と自己紹介を始めるメンバー。ジェシーは久しぶり、だったけど。そんな6人に対して、なぜか無言の秋。

あれ、人見知りとかするタイプじゃないんだけどな…
挨拶するように軽く促すと、無言だった秋は、突如俺に抱きついてきて謎の宣言をかました。

「皆さんに兄ちゃんはあげませんから！！」