陽だまりの家族 part2 (ページ10)

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翔「ただいまー」

バーベキューセットを取って
テントに戻った。

空「あ、しょーちゃきたあ!」

翔「あれ、もう海あがったの?」

空「お腹すいたの」

空はそう言って、
お腹をぽんぽんと叩いた。

翔「あはは。笑
　じゃあ今から肉食べよ!肉!」

空「わーい!!」

俺は自分の被っていたキャップを空に被せて、
腕をまくった。

空「しょーちゃ、空もお手伝いする!」

ぶかぶかのキャップが
大きく揺れている。

翔「ほんと?嬉しいなぁ。
　じゃあ栞たち呼んできてくれる?」

まだ海で遊んでいる
栞たちを指さした。

空「わかたー!」

空は元気に走り出した。

翔「転ばないでねー!」

空の後ろ姿に忠告した。

・

直後、小さな体がぼふっと砂の中へ消えた。

翔「あぁ、言ったそばから・・」

空はにょきっと立ち上がって、
自分の腕についた赤いものをじっと見つめた。

かさぶたからゆっくり俺に視線をうつす。

じーと俺を見つめながら、
だんだんと顔が歪んでいく。

翔「あら、泣いちゃう」

俺の言葉を合図にしたかのように、
ぎゃーと大きな鳴き声が響いた。

翔「あぁあ笑」

俺は急いで空に駆け寄った。

空「しょーちゃー!
　いたー!」

俺に泣きながらかさぶたを見せる。

翔「だから気をつけてって言ったでしょ。笑」

俺は空を抱き上げて、
ぽんぽんと背中を叩いてやる。

・

空「もう空はしらない!」

空はヒックヒックしながら
そう宣言した。

それはそれでどうかと思うけど・・