四宮学園女装部 (ページ1)

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入学四宮学園ページ1

私立四宮学園。

全国から個性豊かで実力が高い生徒達が集まる名門校として知られている、そんな凄い学園。
中にはテレビに毎日の様に出ていたり全国のスポーツ大会で優勝した人がいたりします。
・・・そして、そんな学園に、僕は入学する事になりました。
「それじゃ、行ってきます」
家族と観葉植物のメンヘラ地雷女(命名妹)に声をかけながら外へと駆け出す。
爽やかな風と朝日を浴びながら、僕は大きな一歩を踏み出した。

今年から高校生、そして通う高校はあの名門四宮学園。
学力、運動、そして容姿に至るまで全てのジャンルのトップが集まっている凄い学校。
(そこならきっと、僕は)
身につけた学ランを自慢げに風になびかせて、最悪だった中学校時代にさよならをつげる。

「今年こそ！男らしくなるぞ！！」

僕こと、姫島恋(ひめじまれん)は女の子に囲まれてモテモテになったり、スポーツで黄色い声援を浴びる妄想をしながら学園へと向かった。
・・・7色の学園生活を夢見ながら。

(おい、あの子可愛くね？)
(確かに、この学園レベル高いはずなのにその中でもずば抜けてんな)
(何あの子！カワイイ！)
(お人形さんみたい！抱きしめたいな〜)

ざわめく生徒、注がれる熱い視線。
アニメや漫画でよくあるような、学園のアイドルやマドンナがよくやられるシチュエーション。
そんな視線に対してマドンナが困ったように笑ったりアイドルが元気に対応したりするのがお約束、だけどさ・・・
(注がれている先が僕なんだよ！！！)
男だぞ？
僕が女の子ならまだいいよ？でも男なんだよ残念ながら。
いくら可愛いとかお人形さんみたいとか言われた所でその言葉の先にいるのは健全な男子高校生なんだよ、男子高校生は可愛いを主食にしません、むしろ受け付けません。
ヤギにジンギスカン食えって言ってるような物だよ？無理だからね？

(いやいや、可愛いだけではなく美しいだろ？)
(確かに、まるでお嬢様のようなお淑やかさが)

だからって方向性を変えろとは誰も言ってねぇよ。

お父さん、お母さん、早速心が折れそうです。
と言うかずば抜けてるってなんだ、5人に1人はモデル級の美女がいるような学校だぞ、目ん玉腐ってんのか貴様。
けどその美人までもが可愛いって言ってくるってどんな拷問？
(それにしても、なんで男装なんかしてんだろうな？)
(バカお前！知らないのかよ！)
そうだよバカ、僕は男だぞ。
名も知らぬ生徒よ教えてやれ。
(アレが最近流行りの男装女子ってやつだよ！)
違ぇよカス。