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それでもどうにか消太を説き伏せようと力んだAが拳を握り込んだその直後、頭上から押し寄せる凄まじい斬撃に反射で身体が動いていた。
電光石火の速度で作り上げた蒼刀が閃いたと同時、空中で二つの刃風が相殺する。
Aが走らせた、いっそ芸術的なまでに鋭い刀の軌跡を、二人の高校生は目で追う事が叶わなかった。
それなのに、踏み込みの威力、足捌き、身体を操るバランス感覚、そのどれもが彼女の卓越した技量をヒシヒシと二人に実感させた。
そして、こんなにも庇護欲を掻き立てる風貌をしている彼女が、誰かを守る側の人間である事をハッキリと思い知らされた。
「えっと……、何、今の…？ ごめん、速すぎてちょっと何が何だか……」
たった今自分が攻撃を仕掛けられた事、それをアズールが防いだ事は辛うじて理解できているものの、状況について行けない朧が珍しく弱気な声を漏らす。
「……上だ、白雲。ヴィランはあのデカ物の他にもう一体居たんだよ。道理でさっきはガーヴィーの周囲がやたら騒がしかったわけだ」
半壊した建造物の屋上に立つ、ボロボロの黒フードに身を包んだ何者かの姿を捉えながら、消太は冷静に状況を分析している。
そんな彼の頭の回転速度を胸の内で流石だなと称賛しつつも、Aは自分が苦しい選択を迫られている事を自覚していた。
先ほど仕留め切れなかったローブのヴィランは、再び戦いを挑んで来れるだけの体力をまだ残しているようだ。
あれだけのダメージをお見舞いしたのだ。
戦闘不能、もしくは撤退を余儀なくされるだろうと踏んでいたAは、自身の考えの甘さを痛感させられた。
ここまで最悪の事態が立て続けに起これば、プロヒーローの増援に望みを掛けようなどとはもう思わない。
そうなると必然、ここに居る人員だけで二体の凶悪ヴィランを対処せねばならないというわけだ。
「アズール、正直に答えてくれ。俺は自分の "抹消" が、対ガーヴィーにおいての切り札になり得ると感じてる。お前はどうだ？」
＿＿＿ああ、やっぱり彼は、つくづく頭がいいらしい。
『……私だって、そう思ってる』
武者震いか、それとも恐怖か。
Aの返答に短く身体を震わせた消太が片方の口角を勇ましく持ち上げるのを見て、Aは初めて彼を小憎らしいと感じた。
けれど、思い通りに動いてくれないそんな彼を、その何倍も愛おしいと感じるのだから頭が痛くなりそうだ。
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メケメケ(プロフ) - まめさん» まめさんお待たせしました〜！また読みにきてくれてありがとうございます！！😭 (5月5日 15時) (
レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 更新待ってましたーーー！！！まじ一生愛ついてきます。 (5月5日 9時) (レス) @page39 id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - STELLAさん» ひーーん嬉しいです！😭更新頑張ります〜！！ (5月4日 21時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
STELLA(プロフ) - 更新待ってました!これからも頑張ってください!毎日楽しみにしています! (5月2日 19時) (レス) @page48 id: b056f6d001 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - くじらさん» くじらさんありがとうございます！！GW突入しましたので、また更新張り切っていきますね！！！🔥🔥🔥 (4月27日 9時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メケメケ | 作成日時：2024年1月27日 16時
