383 ページ33
．
硬いのは面倒ではあるが、殴り続ければいつかは貫通するだろうという脳筋思考のもと、その首だけに狙いを定めてAは打撃を繰り返していく。
確実にダメージを蓄積させていき、敵の鎧を剝ぎ落とすのだ。
常人であればとっくに首から上が吹き飛んでいるであろう威力の連撃を続け、その果てに、くの字に曲げた自身の肘で敵の首を挟みこむ。
そのままの体勢で、住宅街に向けて敵もろとも突っ込んだ。
連なる建造物を破壊しながら、その頭部が千切れるまで続く地獄のラリアットの始まりである。
大きな負傷はしていないが、チャクラの余裕はもうあまり多くはない。
次々と穴が開き、崩れていく建物に気を遣っている余裕もなく、Aは勝負を急いでいた。
この戦いが終わっても、まだガーヴィーが残っているのだ。
こうしている間にも進行を続けるガーヴィーが次の街に辿り着くのと、その進路上で暮らしている市民が避難を完了させること、どちらが先かAは確信が持てていない。
頼んでいた増援が到着する気配もない今、二体ともAが相手をするしかないというのが現状だった。
手応えはある。
敵の硬化はひび割れている。
吐血しているのかローブに塗れた血が染み出して、堪えきれない呻きが耳元で聞こえている。
早く。早く死んでくれ。
スピードをさらに上げると、敵は骨を軋ませた。
単純な質量と圧迫感の暴力が、敵の急所ただ一点に集約された。
全霊を賭してここで殺す。
理解できない重さの一撃が、敵の首元にめり込んでいく。
あと少し。ほんの少し。もう少しで＿＿＿。
＿＿＿ボコッ。
突如破壊の音に紛れた、場違いな響きを拾い上げた。
音の聞こえた方、ガーヴィーへとその視線を向けたAは、その背に浮かぶ丸いコブを見て目を見開く。
標的はこちらではない。
ではなぜ奴が再び攻撃態勢に入ったのか。
その進路の先を目で追い、理解した。
人が居る。
いつの間にか、もう隣町が見える距離まで移動してきていた事にAはようやく気が付いた。
＿＿＿パキュッ。
コブの割れる音。
あまりの光量に白む視界。
けれど、Aの写輪眼にはその光景が鮮明に映っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1416人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メケメケ(プロフ) - まめさん» まめさんお待たせしました〜！また読みにきてくれてありがとうございます！！😭 (5月5日 15時) (
レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 更新待ってましたーーー！！！まじ一生愛ついてきます。 (5月5日 9時) (レス) @page39 id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - STELLAさん» ひーーん嬉しいです！😭更新頑張ります〜！！ (5月4日 21時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
STELLA(プロフ) - 更新待ってました!これからも頑張ってください!毎日楽しみにしています! (5月2日 19時) (レス) @page48 id: b056f6d001 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - くじらさん» くじらさんありがとうございます！！GW突入しましたので、また更新張り切っていきますね！！！🔥🔥🔥 (4月27日 9時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：メケメケ | 作成日時：2024年1月27日 16時
